見出し画像

マレーシアのお姉ちゃん

昨年の5月に、元々働いていた会社に復職して、立ち上がったばかりの「マレーシア新規事業」に携わることになった。マーケティングのためにそれ以来毎月現地で短期の催事を行うように。

現地で協力いただいている会社側の担当者が、今日の主役、私の「マレーシアのお姉ちゃん」である。

お姉ちゃんは私の10歳年上の中華系マレーシア人

初めてあった時から、なんとなく馬があうというか、すぐに何でもオープンに話し合える仲になった。

毎月の催事といえでも、日本側で英語が話せるのは私だけ。よって催事期間中にガッツリと現地に滞在するのは私のみ、そんな私をいつも気にかけてくれていた。

家族との夕食にはしょっちゅう誘ってくれて、彼女の子供たちや親族たちの輪にいれてもらって食べるご飯は飛び切り美味しかった。

人生の話、子育ての話、結婚の話、この10カ月間で私が彼女から学んだことは数えきれない。仕事以上に、いろんな価値や経験を授けてもらった。

気の使い方、仕事の交渉の仕方、すべてがとても勉強になった。

日本側の問題で、私は退職を決意したわけなのだけれど。

それは今思えば、催事の予定もなく2カ月間日本で毎日出社して、ただただ日常に消耗して、具体的な計画をいつまでも打ち出せないミーティングに嫌気がさして…語学や海外への理解が絶望的に乏しくて

今再びマレーシアにいて、お姉ちゃんと仕事をして、話をすると、私の心はブレブレになる。

私が辞めることを伝えた時、真っ先に彼女は

「あなたとだから、このプロジェクトはなんとかなる、頑張ろうって思ってきた。あなたが離れるなら、正直いって私のやる気も半分以下になるよ」

まぁ、完全にオフレコの話だけどね(笑)と。

「本当に楽しい、何があっても頑張ろうと思える職場なら離れないもんね。それでも辞めるっていうことは、きっと何かその人にとって大きな問題があるんだろう」

「人生に問題はつきもの。問題のない人生なんて、人生じゃない。問題があるときに、それをどう乗り越えていくか、それこそが大事なことなんだよ。とはいっても、その問題がどうしようもなくその人を不幸にするのなら、乗り越えることに希望がなくて、別の道を歩むなら、それを止めるのは、私の身勝手になる。」

「一番大事なのは、幸せに生きること。自分を幸せにすること、だから私の個人的なわがままで辞めないで、ここにいて、っていうわけにはいかないね」

グサグサに刺さりました。優しさに、グラグラになりました。

彼女となら、確かになんとかなると思ってきた。実際になんとかなってきた。それはきっと私だけの思い込みじゃなくて、お姉ちゃんの方もそうだったのか、私ばかりが頼っていたわけではなく、私は私の立場で彼女と一緒に歩んでいたんだな、って今更ながらに思い知った。

日本側の諸々の問題で離れることを決意した私は、とんでもなく身勝手だな、そう思った。

とんでもない心残りを発見してしまった…私はどうすればいい。

「何かを決める時は、最終的には孤独であるべきだ」

なんて偉そうに書いたが、それはどうしようもない幼稚な驕りだったのではないか。

私の決意は、まったくブレないと思っていた決意は、揺らぎに揺らいでいる。ただのワガママ、自分勝手、な判断だったのか、と。

答えはでない。今は出ない。

この決断を「子供っぽいワガママ」にするのか「より良い人生へのステップ」にするのかは、今後の私の行動次第なのだから。

あぁ、重いものを背負ってしまった。もうどうにも引けないぞ。

自分の生きたい人生を歩むなら、覚悟と、責任と、重みは必然だ。

マレーシアのお姉ちゃんが大好きだ。本当に心のそこから大好きだ。
その大好きなお姉ちゃんを置き去りにしてでも決意したのなら、私は責任を持つべきだ、自分の生き様に。

いまはそれくらいの決意でしか、自分を保てないな。

私の判断が正しいのか、間違っているのか、それを決めるのは誰なんだろう。決める必要はないのだろうけど、あぁ、誰かに話を聞いて欲しい、私は間違っていないと背中を押してほしい。

今日はそういう、気分だ。


読んでいただいてありがとうございます。
面白かったら「♡」をお願いします。
全力で私の愛をお返しします!


この記事が参加している募集

退職エントリ

よくいく居酒屋のハイボールは、1杯190円です。もちろん深い意味はありません。