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【海外発券】 旅のプロはこうやる! お盆ど真ん中の海外航空券手配必勝法

実はワタクシ、旅行業の届け出こそしておりませんが、総合旅行業務取扱管理者の資格を持つ、すなわち国内旅行・海外旅行手配のプロフェッショナル、いや、実務はしていないのでセミプロか?

まあとにかくそんな一面もあるんでございまして、どこそこに行きたいんだけれども、何日の何時に自宅を出て、何日までに自宅に帰る、という希望だけいただければ、1時間もかからずに旅程を完成させることくらいできるんでございます。

だからか、なんだか、このところ「お盆の旅程を作ってくれ」系のお願いを受けましてw しかもよりによってGWが終わったタイミングで……「手配は自分でする」「お代は払うから」と、いやいや、旅行業を営んでいるわけでもありませんし、カネは取れません。が、ネタにはさせていただきますよ、ということで整いました。


ちょうど1年ちょい前に『カレンダー通りにしか休みが取れない人向け!旅予約必勝法』という記事を書いてますが、今回は、コレを具体化した実例となります。
あまり旅行会社が行わない「離れ業」なので、方法論の一つとして、楽しくお読みになってください。




今回ご依頼いただいた旅程

「大都市圏外発着&お盆ど真ん中」

ご相談いただいたのは開業医先生で、いわゆる「暦どおり」にしかおやすみできない方。
しかも、東京や大阪、名古屋など、大きな国際空港にアクセスできる都市圏にお住まいではない、というおまけつき。


「お盆にタイ“あたり“に行きたいのですが」という切り口から始まったこの会話、ですが、
まずそもそも東南アジア方面は乾季と雨季で天国と地獄の差があるんだぞ、というレクチャーからw
「最高気温40℃近く、しかも雨季のバンコクなんかに本気で行きたいのか?」と、ちょっとだけ本気で止めるところから始まり、

「ではバリあたりなら大丈夫でしょうか?」

はい、バリは夏がベストです。ということで、行き先はバリ島に決まりました。


住んでいる場所は、ドンピシャでは申し上げられないのですが……そうですね……、山陽地方~九州の、山陽新幹線・九州新幹線には比較的アクセスの良い場所にお住まい、としておきましょうか(この辺りのエリアだったらみなさん同じ旅程で行けるので)。


にしても、お盆の予約、GW後で間に合うのか?

ご依頼を受けて、最初に憂慮したのが、コレです。

先ほどご紹介した記事で、

「希望する日程の一つ前の大型連休が終わる前には手配を終えることですね。」

って書いてるんですよ。つまり、お盆の予約はその一つ前の大型連休であるGW前、が確実なんですよね。ですが、このお話をいただいたのが5月20日前後なので、そのタイミングは逃しちゃってるんですよ。あっちゃ~と思いました。

幸か不幸か、実はこのGW、ガラガラになるはずの東京があちこち激混みでw、ひょんなことから、もしかして、この円安&物価高のGWに、日本人は海外に行けてない!?なんて事実が発覚してはおります、が、いつものノリですと、このタイミングでお盆の日本発着の国際便は絶望的になっておりますので、はなから探しませんww


ですが、実はここから先、抜け道がないわけではないです。なぜなら、

アナタの「暦」、世界基準ではありません

先ほどの記事でもまんまの見出しで書いてますがw

みなさんの「カレンダーどおりのお休みの日」も、日本国外でしたら「ど平日」にあたるんですよww

「カレンダーどおり」とはよく言いますが、それ、どこのカレンダーなんですか?というお話。


ということで、日本のお盆ど真ん中にバリ島、と言われて、真っ先に思い浮かんだのがソウル仁川国際空港発着です。


依頼者は山陽地方~九州にお住まい、と書きました。普通なら関空、羽田、成田空港あたりから、と思うじゃないですか。旅行会社のパックツアーもそれで組まれているでしょう。

しかし、達人は、とっくにそんなところから離れています。東南アジアに、どうせ直行じゃなくて乗り継ぎなら、っていう時点で仁川発着に着目すべきなんです。

仁川のある韓国の「お盆」は、旧暦なので、日本がお盆の時期は、韓国はお盆ではございません。年末年始も同じ感じですね。なので、こっちはお盆発着のつもりでも、あっちからしたら8月の、“別になんでもない平日”発着です(まあ、子どもたちの夏休みシーズン、ではあるかもしれんが)。

 ちなみに、


「仁川発着」には驚愕の逸話が

実は、大型連休関係なしに、同じ直行便なのに、なぜだか仁川発着だと東京発着の半額ほどになるというエアラインがあったりします。

なので東京に住む私とて、東京から西方向に飛ぶ場合は、東京から直行便を飛ばしているエリアでも、一応、仁川からの直行便の値段を調べたりもします。
調べて初めて、それでも東京から直行したほうがいいのかどうか、という比較ができますので。東京から乗り継ぎが1回でもあるエリアだったら仁川発着の場合も絶対調べます。


あとは「スカイスキャナー」の出番だぜ

私は「仁川から、アジアの主要地域に、直行便が飛んでないところなんて、あるわけないじゃん」的なアタマで探しますが、仮に、そこいらのイメージがついてなくても「仁川発着」さえアタマにありさえすれば、そこから「スカイスキャナー」で検索するだけです。ほらよっと。

(画像はスカイスキャナーより引用_以下同)


ちなみに、同じ日程で東京から調べてみたら、直行便は満席なのか、出てきませんでした(別の日を調べたら出てきたので、直行便自体を飛ばしていることは、確かです)。

そんな背景のもと、この2便から選ぶ、となると、バリ島での滞在時間がより長いガルーダインドネシア航空の便が良さそう!ということでこちらをご提案することに。


日本のどこから飛ぶ?

私は「仁川から行く、と決まれば、あとはそもそも日本国内から仁川へいくのなんて、国内線並みにどうにでもなるよ」っていう思考回路ですが、大多数の皆様は「そんなこと言われても、知らねーよ」状態かと思いますので、ここでも「スカイスキャナー」の出番です。こうやって調べてください。

「日本」から仁川

こうすれば、日本から仁川まで直行で飛んでいる都市が丸わかり、です。


さて、今回のケースの場合、

山陽・九州からなら、福岡空港が、あるじゃないか


福岡から韓国への便、東京とは比べ物にならないくらい、国内線かよ!?ってくらいの本数が飛んでますので、日本国内で一番、どうにでもなる路線の一つです。

はい、これで、山陽~九州の新幹線沿線上なら、みんな同じ、っていうカラクリ、わかりましたか? 新幹線を使えば短時間で福岡に行けちゃうからですよ。


日本からの便はこうする!

同じアライアンス、乗り継ぎ時間は3時間以上で!

福岡空港から飛ぶと決まり、福岡~仁川間をスカイスキャナーで検索すると、LCC各社と、アシアナ航空と大韓航空が飛んでいることがわかるわけです。では、どの会社のフライトを選ぶか、ですが、初心者さんなら、大韓航空一択です。なぜなら、大韓航空とガルーダインドネシア航空は同じアライアンス(スカイチーム)に属しているから。

国際線から国際線に乗り継ぐ際、航空機の遅延などを加味したときの、仁川空港における乗り継ぎ時間の「えりおちゃんルール」は3時間です。3時間あれば大抵トラブルなく乗り継げます。

トラブルがあったとしても、同じアライアンスの航空会社はターミナルが同じことが多いのですが、仁川空港においても、ガルーダと大韓は同じターミナル。こうしてお互いの便の融通がききます。

スムーズに行ったとしても、仁川はいろんなお店がありすぎて、3時間なんてすぐに経ってしまいます。日程に余裕があれば、わざと乗り継ぎ時間を長くしたり、24時間以上のストップオーバーにしちゃったりして、空港からシャトルバスですぐ、カジノを有する統合リゾート「パラダイスシティ」に遊びに行っちゃったり、はたまたソウル市内に出ちゃったり、と可能性は無限大です。


これぞ「海外発券」

仁川発着のバリ島便を購入するまでの背景や手順をお見せしましたが、海外から発着する航空券を購入する、この一連の操作を「海外発券」と総称します。ここを固めてから、日本からの発着を決める、つまり航空券が2枚になる、というのが他とは違う海外発券のポイントとなります。

実はこの手法、マイレージ特典航空券の引き落としにも使える手法で、東京発着は埋まっていても、仁川からならマイレージ特典に空きがあることがあるんですよ。私はこの方法で仁川からヘルシンキまで、マイルで発券しました。

福岡からデンパサールなら、香港乗り継ぎや、台湾乗り継ぎ、シンガポール乗り継ぎなど「スカイスキャナー」で調べればたくさん出てきます。お時間がある方は、それもしてみると、確かに選択肢は広がります。

が、そもそもお盆の時期の香港や台湾は台風のリスクがありますし、シンガポール航空はANAのマイルこそ貯まりますが、仁川発着便より高い、などなど、いろいろ言い出したらキリがない、ということもあり、こちらでは一番確実かつ安い(!)仁川発着便を固めてから、日本からの導線を決めるという、いわば「海外発券」のやり方についての解説記事、ということで、このやり方に絞らせていただき、今後も話を進めてまいります。


デメリットは

航空券が2枚になること、韓国発着のガルーダインドネシア航空便は、ANAのマイル積算対象外になってしまうこと、ですかね。

仁川発着便がある程度固まったら、あとは日本各地から仁川国際空港への導線を確保すればいいだけ。なのですが、日本から仁川について、そこからの乗り継ぎはうまくできるの? 預けた荷物はどうなるの? ネックになるのはこの辺りですね。

まあしかし、仁川であれば、日本ではない、にしても、隣の国であり、また同じアジアの国。空港には日本語を話すスタッフがいますし、他の国から海外発券するより、ハードルは低めでございます。

・同じアライアンスの便にする
・接続は3時間以上開ける
・最初にチェックインする時、2枚目の航空券があることを必ず言う

これを徹底するのがコツです。


マイルについては、これを機にJALとANA以外にスカイチームのマイレージを作る、ということで解決できます。

私は今後スカイチームの便も多く使用する可能性を感じたことから、自分は前職退職直前のタイミングでデルタアメックスゴールドカードを作成し、スカイチームのマイルはここに積算していくことにしました。


以上、なかなか高度なテクですが、ピーク時に安く旅行したい!というときに、使える手段の一つとしてご紹介いたしました。ぜひご参考にしてみてください!



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