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いちご大福味を買えなかった自分への後悔

とあるコンビニに行くと、大量に売れ残ったとあるドリンクが大幅値下げで並べられていた。
それは炭酸水なのだが、味がなんといちご大福味。なんでそんな味にしたのだろうかと疑問が浮かぶ。

炭酸水が好きで、わりと良く飲む。何やら健康にも良いらしいし、単なる水やお茶よりも感覚的にはジュースに近くて気分も晴れやかになる。そして何よりも安い。

甘党だからいちご大福も好きだ。お餅に餡子と苺という組み合わせはもっちりとした食感と甘い餡と苺のフルーティーさとほのかな酸味が良いバランスを作っている。

しかし炭酸水と苺大福は飲む時食べる時のテンションが違う気がする。それは野球をしながら読書をするようなもので、それぞれは良いが組み合わせたときには決してお互いを引き立て合うとは言えない。
炭酸水といちご大福の組み合わせも同じようにお互いを引き立て合うような気はしないのだが、それでもその商品を開発した人は試行錯誤して美味しく作り世に出したのだろう。

もしかしたら飲んでみると意外にも美味しく飲めたのかもしれない。
割引価格で売られているのだからある意味買うチャンスとも言える。しかしその商品に目は止まっても手が伸びることは最後までなかった。

そう、それは一種のチャレンジなのだ。炭酸水といちご大福という異色のコラボを飲むことは、ちょっとした冒険が必要になる。
美味しかったら良い。自分にハマればゴクゴクと飲んでまた後日購入したかもしれない。けれど自分の口には合わない場合には500mlでも苦行になってしまう。これはある意味賭けとも言える。

その賭けにチャレンジしてみるかと言われると、手が伸びなかった。
炭酸水といちご大福という組み合わせに対しての期待値がそれほど高くなかった。
「別々の方が良いと思うよ」と心の中で異色のコンビを否定してしまい、結局購入せずに店を出た。

帰ってもなお、いちご大福味の炭酸水が頭からしばらく離れなかった。
やっぱり飲んでおくべきだっただろうか。美味しかろうとそうでなかろうと、飲んでみて結果を知って終わっておくべきだったか。
少々大袈裟だが、チャレンジから逃げてしまった自分に対してもこのままで良いのかという気持ちになってしまう。ここで逃げてしまった自分は一生変わらないままなのではないだろうか。
バンジージャンプを飛べなかった人の気持ちで夜を迎えてしまい、勇気を出して飛ぶべきだったかなと今更ながら効果している。そして安全牌で買ってしまったミルクティーを飲んでいる。

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