倒れず待ってて縄文杉
「15才 学校IV」という映画が好きだ。
「学校」というタイトルの日本映画があり、確か1作目から数えていくつか作られている少し昔の映画。
内容は、
虐められ不登校になっている15歳の少年が、家に置き手紙を残しヒッチハイクで屋久島の縄文杉を見にいくというもの。
縄文杉の元へ向かうのが目的ではあるが、旅の途中で出会う様々な人、出来事、葛藤、感動が、不登校の少年を大きくさせる。
引きこもりの青年との出会いと別れのシーンなどはクライマックス並みに涙ものだが、気づくとまだまだ映画の中盤であったりして驚くほどだ。
その映画「15才 学校IV」を初めて見たのは自分も同じ15才のとき。
思春期まっさかりの多感な時期に見たその映画の主人公は、どこか自分にも重なり、様々な出会いを経験することが羨ましくもなり、同じく縄文杉に魅せられた。
説によると樹齢7200年とも言われる大きな杉の木。
あくまで樹齢は計算による推測にしかならないが、2170年とも4000年とも言われている。
2170年だったとしても、生きているのは紀元前からだ。
はるか昔から屋久島にひっそりと立ち続け、今もなお生きている縄文杉。
たった一本の木が、自然の偉大さや生命の尊さ、そして自分のちっぽけさを教えてくれる。
映画の画面越しでもそれを感じさせてくれるのだから、実際に自分の目で見たらどのように感じるのだろう。
映画の面白さもさることながら、縄文杉を見ることが自分の夢になった。
それから大人になり就職し、なかなか行く機会がないまま今に至る。
まったく行けなかったかと言えば、そうでもないかもしれない。
休みも取れたし、お金も貯められたし、予定も立てることはできたはず。
でも仕事と生活の中でいつしか縄文杉を見たいという夢のことを考えることを忘れ、そんな夢があったことも忘れ、気づくと叶えてないまま。
そんな折に偶然にもまた映画「15才 学校IV」の映像を見て、忘れてしまっていた夢を思い出した。
そういえば行ってないな。
行きたいな。
今からでも行けるだろうか。
行けない理由などないはずだ。
今すぐにスケジュールを組んで予算を立てて準備をして…というのは難しいかもしれない。
けれど今からでも縄文杉を見るという夢を叶えるための行動は一個ずつできる。
ルートの確認、予算の計算、準備、スケジュールの調整…。
映画を初めて見た15才のときには自分ではどうにもできなかったことが、大人になった今ならできる。
色々と解決すべき問題はあるが、自分の責任で行うことができる。
行けない理由など、ない。
行くまでにはもう少し後になるだろうが、それまで待っててくれよ縄文杉。
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