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漫画万歳!(4)BABY STEPS ベイビーステップ

マザーブレイン社の月報に投稿した記事を紹介していきます。2019年4月からスタートしたシリーズを多少の修正を加えて掲載します。この連載は気ままな個人的な感想ですので、ご意見は大歓迎ですが、あまり真剣なご批判は、泣きたくなるのでご容赦願います。

MOTHER BRAIN MONTHLY REPORT

今年のウィンブルドンでは、錦織選手もがんばりましたが、望月慎太郎選手のジュニア優勝は素晴らしかったですね。ウィンブルドンの季節になると読み返したくなる漫画、それが「ベイビーステップ」です。

勝木光によるテニス漫画で、2007年から週刊少年マガジンで10年間連載され、NHKでアニメ放送もされました。几帳面で真面目を絵にかいた通信簿オールAのエーちゃん、丸尾栄一郎が主人公です。およそスポーツ漫画のヒーローとはかけ離れたイメージのエーちゃん、そういえば、「弱虫ペダル」も似たような線の細い主人公ですね。

このエーちゃんが高校に入学して、体力作りの一環で週何回か運動をしようというおじさんくさい理由でテニススクールに通い始めるのですが、すっかりハマってプロをめざすようになり、プロになるための条件として全日本ジュニア日本一を狙って猛特訓をするという話です。体格的にテニスに恵まれているとはいえない彼の武器は、試合中も書き続けるノートです。動体視力のよさを武器に相手や自分を分析しビッシリ書き留めたノートを使ってデータテニスを実践します。まっすぐに目標に向かってあきらめずに努力する姿は、ひょっとしてこんなヒーローがいつか現れるのではないかと期待させてくれます。

この漫画がスゴイのが、「日本一になった、ヤッター!感動!」とありきたりに終わるのではなく、その後、プロをめざしてさらに努力を続けていく様子が描かれていることです。意外に地味なプロテニスの裏側が垣間見えてなんとも興味深いです。さすがに「ウィンブルドンで優勝、ヤッター!」までは描かれていません。あくまでもリアルな漫画です。ただ、試合中にノートに書いたら、汗でぐちゃぐちゃになると思うのですが、それはしっかり漫画の世界でした。

2019年7月執筆


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