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誰もが美意識を持っている

4日間大阪で行った個展はあっという間に幕を降ろしました!


関西でギャラリーを借りて展示会を行ったのは初めてです。場所を選ぶために京都と大阪で数か所事前の下見をした中でも、ギャラリーへ入った瞬間のファーストインプレッションが一番良かったのがここ、ギャラリーササキ商店さんでした。

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大阪でもミネラルショーには出展していて、たくさんの業者さんがさまざまな鉱物、宝石を展示している中、SELSHAのブースに長く立ち留まるお客様は少なかったのですが、こうした単独の個展では落ち着いた空間の中でゆっくり石を眺めることができます。

愛でるようにひとつひとつ見ている方や、初めてルーペで天然石の内包物を覗き込んでいた方。さまざまな気持ちで楽しんで頂けた気がします。

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その中でも気になるものが多すぎて、最後まで絞れきれずいろいろ悩んだ方もいましたが、時間をかけた分だけ、たぶん無意識的に何か得られたのではないかなと思います。

確かに内なる判断軸が形成されるまで時間がかかるし、
あれにしよう、これにしよう、と考えていくなか
きっと脳の中でいろんなことを連想して、ちょっと疲労感すら覚えるかもしれません。

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いずれにしても1つ言えるのは、何事でもそうですが時間をかけたことはけっして無駄ではないということです。

何回か個展を運営してきて感じたのは、一連の活動の中である程度お客様が考える余白を残しておくべきだなと思いました。

少し話がそれますが、
京都へ行くとお寺がたくさんありますよね。
中には綺麗な庭があるお寺もあります。

私が以前に茶道の修行で泊まった京都にある妙顯寺には「四海唱導の庭」という場所があります。
(ちょうど2年前に茶道の修行について書いたブログがあります)


庭の枯山水は滝から流れて海へ広がっていく様子を表現しています。
当然ですが、実際水は存在していません。見る人がそれぞれの波紋や波を投影しています。心に現れる心象風景は人それぞれ違いますが、それは見る人が作庭した人と共同作業しているように考えてもいいですよね。

内包物がある水晶を見るのと、枯山水を見るのと、ちょっと似たような感覚です。

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SELSHA ではマニアックな石でもどういう内包物が入っているのか、産地はどこなのかなど、特に説明を書いていません。普通石屋さんなら書くのですが、私はあえて書かない方が先入観なく見られて想像の幅が広がるかなと思うし、わからないことは聞いてもらえると、そこから更にお話ができます。

人を判断するときも、名刺に書かれた肩書きからではなく、目の前のその人を本質的に評価するべきだから、石も同じだと思いませんか?


そもそも人は表現する生き物、創造する生き物、その創造性とかクリエイティビティ―ってなんだろう?という疑問を天然石を眺めながら思った時がありました。だいぶ前にそれを思ってずっと分からずにモヤモヤしていましが、最近ようやく手がかりを掴んだ気がします(^-^)

創造性は人によって定義が違うと思いますが、
創造性=瞬間のひらめきではなく、プロセスではないかなと思いました。

それはもしかして、生活の流れの中で起こっているのではないのだろうか。

「ひらめき」は材料なしでは起こらないし、流れの中で起きるはずです。
ちょっと情報が欠落しているからこそ人は創造へ誘われます。


一輪の朝顔を見て咲き乱れた朝顔を連想する
これは千利休が豊臣秀吉を招く時に、秀吉が見たかったはずの庭中の朝顔を全て刈り取ってしまって、一番綺麗な朝顔を一輪だけ茶室に刺したという有名な話です。

結局、創造するというのは、何か偉大なものを作るのではなく、ちょっとした思考に誘われる小さなステップから始まると私は思います。

だから、生活の中で押し殺している価値観を捨ててはいけないし、それこそを大事に持つべきだなと思います。

今社会がしがみついている常識はたまたま流れ着いてきた救命胴衣かもしれない。


忙しい日々を送っている人こそ、少し立ち止まって
日常生活の中にひそむクリエイティビティを大事にと

そんな風に、個展に来て下さった方にも少し感じもらえたら嬉しいなと思います。暑い中個展に足を運んでくださった方に本当に感動を申し上げたいです。

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金魚の風鈴を中庭にかけたのですがが、室内にいる方はほとんど涼しげな音を聞けなかったと思います。そもそも、風鈴があることに気づいてなかった方がほとんどだったと思いますが、まぁ、それはそれで面白かったな感じました(笑)


それでは、また次の展示会でお会いしましょう~♪


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