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職場の賢者「モダンエルダー(新しい年長者)」になる

めちゃめちゃおもしろい本を見つけたので、最近は年の近しい人に勧めまくっています。

どういう本か

26〜52歳まで ブティックホテル業の起業家だった著者のチップ・コンリーは、2013年頃に急成長中のテクノロジー新興企業であるAirbnb社の創業者ブライアン・チェスキーに「Airbnbを世界的なサービス業ブランドにすることとCEOお抱えの助言者になる」ために呼ばれました。

若きCEOはチップ・コンリーの業界知識を見込んで招いたのに、実際に提供したのは「長年培った知恵だった」という話です。二回りも年下の若者たちに囲まれて、尊敬されながら楽しく働き成果を出す「モダンエルダー」としての働き方について書かれています。

チップ・コンリーはTEDでは「ナレッジワーカー(知識労働者)」 という言葉を使うのをやめ 「ウィズダムワーカー(英知労働者)」に 替えるべき、ともスピーチしています。

Airbnbの現在地

アメリカでこの本が出版されたのは2018年9月(日本)でしたが、

2021年10月時点での状況ですが、新型コロナウイルスの影響で大きなダメージを受けている旅行業界ですが、その中でも好業績が期待されています。

2020年12月10日にナスダックに上場して、2021年第2四半期の決算は良い内容となっていました。新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な旅行制限やロックダウンの影響が懸念されていましたが、売上高成長率は前年同期比+299%の13億ドル超と堅調に推移しました。長期的には株価は上昇していくと期待されています。

年長者の何がいいのか

年長者ならではの良さは何があるのでしょうか。

背景として、アメリカのDQ(デジタル知能指数)への依存の高まりがあると書かれていました。若者たちが20代前半で会社を設立し、30歳にもならないうちに世界の大企業に成長させています。

問題は、こうしたデジタルスキルに秀でた若者たちの多くが、経験も指導もないままに力のある地位に押し上げられ、急拡大中の企業を経営し、部門を運営しなくてはならなくなっていることが指摘されています。

心の知能指数(EQ)のように成長するのには時間がかかる能力もあり、年長者には長年かけて培った「人間関係の知恵」などを持っていると言われています。

ロバート・サットン教授によると、究極の知恵とは自信と懐疑心の程よい調和であり、そのどちらをいつ強めたらいいかを知っていることだという。

モダンエルダーは重みと謙虚さをいい具合に混ぜ合わせていて、次のような知恵を示してくれている。優れた判断力。本物の洞察。心の知能指数(EQ)。俯瞰的な思考力。奉仕の心。

勇気、学び、創造的思考の根幹にある好奇心を発揮するのは自分にある程度自信がなければできない。「モダンエルダー」は長年にわたって蓄積してきた自信という資本があるから、それを自分やチームのために使える。年をとったからこそ「なぜ」と聞く権利が得られる場合もある。

モダンエルダーとして働く4つの方法

モダンエルダーとして働く方法については、以下の4つが必要と書かれています。

1 変化を恐れない
2 新人の気持ちになる
3 仲間と知恵を交換する
4 アドバイスの能力を磨く

本の中には、「メンターン」という言葉が出てきます。
メンター(仕事やキャリアの手本となって、新入社員や若手社員に助言・指導をし、個人の成長や精神的なサポートする人)とインターン(主に学生が就業体験を通じて、仕事や企業、業界、社会への理解を深めること)のかけ合わせた言葉です。

若者に教える人であり、若者から学ぶ人である、ということです。

進化し変化していける能力を信じ、自己改善のためには失敗を恐れず、前向きにリスクを取る、「しなやかマインドセット」を持つことが重要なのだと思います。

理想的な姿は、「マイ・インターン」でロバート・デ・ニーロが演じるベンでしょうか。映画の中では、アン・ハサウェイが演じる会社の若きCEO、ジュールスのキャリアと家庭の悩みに耳を傾ける受け皿役になっています。

「モダンエルダー」は言葉の響きがいい

何よりもいいと思ったのが、「モダンエルダー」という言葉の響きです。40〜50代の人は「中年」としか言いようがなかったと思うのですが、その響きにはポジティブなイメージがありません。

ですが、「職場の賢者」「モダンエルダー(新しい年長者)」にはクールな印象があります。言葉の雰囲気って大事だと思っているので、この本に惹かれた要素として、「モダンエルダー」というネーミングが大きかったのかもしれません。


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