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読書感想文「鏡の孤城」

かがみの孤城 辻村深月
☆☆☆☆★

◎あらすじ
安西こころは学校でいじめを受け、不登校になっていた。そんなある日、自分の部屋にあった鏡がひかり始めた。鏡の中の世界はお城のような建物の中で、お城の中には願いの叶う鍵が隠されているという。お城には心を含めた不登校の中学生が7人集められており、次第にお城が7人の居場所になっていく。

◎感想
現実とファンタジーが融合したような本で、設定も面白く一人ひとりの個性もはっきりとしていて面白かった。お城にくる中学生はみんな不登校だが、それぞれに事情を持っている。その7人が初めはよそよそしかったり仲が悪かったりするが、次第に仲良くなってお城が居場所になっていく過程に、友情やそれぞれの心情の変化を感じた。そして、7人にとってお城で過ごした1年は大事な思い出になったのだと感じた。私も一生忘れたくないような素敵な思い出を作りたいと思った。
一方、ストーリーの最後の方に明らかになっていくタネはすべてではないが予想できてしまった。推理小説ではないが、もっと裏切られてみたかったのは本音だ。しかし、エピローグの部分は予想しておらず、単純にその構成にすごいと感じた。
550ページほどある長い作品だったが、物語にのめりこめすらすらと読める本だった。星4にしたが5に近い。

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