会社という組織のこれからを考えてみよう
皆さま、こんばんは。コウイチです。今回のテーマは「会社という組織のこれからを考えてみよう」です。
いきなりですが、取引コスト理論ってご存知ですか?
「取引コスト理論」は,2009年にノーベル経済学賞を受賞したオリバ ー・ウィリアムソンによって広く普及されて,現在では多くの分野で応用されている考え方になります。最近読んだ、「戦略読書日記(楠木建著)」という本にこの取引コスト理論をもとに「会社のこれから」が考察された興味深い内容がありました。
今回私が学んだこと(取引コストの考え方、および楠木先生の主張)と併せて、僭越ながら私なりの考えを書いていきたいと思います。
1、取引コストとは
現代の企業は、ある活動を企業内部で行うか、外部の組織で行うかを選択する場面が増えています。例えば、M&A は活動を内部に取り込む方法ですし、アウトソーシングや OEM は活動を外部に出す方法です。このように、ある活動を内部で行うか外部で行うかを選択する際に、役に立つのが「取引コスト」という考え方です。
取引コストというのは、ある市場取引を行うためのコストです。取引コストは、取引相手を探して条件を交渉し、契約するまでにかかるコストと、その契約が正しく実行されるかを監視するためのコストを全て足し合わせたものです。例えば、ある材料を仕入れるためには、仕入先を探し、価格等の条件を決定した上で契約を結び、かつ契約が履行されるかをチェックする必要があります。そういったコストを全て足し合わせたものが取引コストとなるわけです。
2、取引コストと組織の関係
ここで取引コストが高い場合は、コスト削減のため、会社は市場取引から組織取引へと移行することが考えられます。組織取引への移行とは、取引相手企業を自社で保有する、つまりM&Aにより自社資本下に収めるということです。これは「内部化」とも呼ばれます。
ところが、この内部化にもコストがかかります。たとえば、メーカーが自前で流通チャネルを保有するには、物流倉庫や店舗を建設したり、既存の流通業者を買収したりするのに必要な投資コストと、それらを継続的に維持していくための管理コストがかかります。これらを内部化コストと言います。
理論上は、取引コストと内部化コストを比較して、取引コストのほうが大きい場合には組織取引が、内部化コストのほうが大きい場合には市場取引が選択されます。逆に、取引コストが低い場合は、活動を外部に出すことが可能です。
3、これからの会社の存在理由
近年、従来は組織内部で行われていた取引がどんどん市場に移されています。業務のアウトソーシングや正規社員から契約社員への移行などです。それは昨今の情報技術の発展により、取引コストが低下していることが要因の一つであると考えられます。その結果、会社は高いコストを払って内部化せずとも、市場を使いこなせれば効率よくビジネスができるようになりつつあるのです。実際、クラウドソーシング事業を手がける「ランサーズ」が実施した「フリーランス実態調査2021」によれば、2021年1~2月時点の日本国内のフリーランス人口は1670万人になったそうです。
(東洋経済オンライン「会社に属さず働く人」、大抵の人が知らない現実」より)
しかしそうなると、会社という組織の存在理由はどこに残るのでしょうか。取引コストだけで考えると、会社は解散した方が良い、ということになりかねないからです。
ここで楠木先生は以下のような仮説を立てられています。
「濃い組織でなければ、組織として存在する意味がない」
この濃い組織については以下のように説明されています。
4, ここまで読んで思ったこと
会社に囚われずに個人で働く人が増加している中、私のような会社員は何を目指して組織の中で働くべきでしょうか。また会社は社員や社会に対して何をしていくべきでしょうか。
私の場合「パーパス」が頭をよぎりました。
会社が「濃い組織」となり、生き残っていくためにもパーパス経営は今後さらに重要性を増していくと思いました。それと同時に会社員である私は自分の職場が「濃い組織」となるように日々努力したい。それが巡り巡って自分も成長して社会に貢献できるようになる。それが会社員としての(お金以外の面での)働く意味なのかな、と思った次第です。
読んでいただき、ありがとうございました。
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