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彷徨うおっさん70 少子化の世を生きる考え(7/7) 子供の人生奪っておいて老後は何したいのか? 子供には想いではなく希望を託せ

 前回は、無理をしても子供も親も幸せになれないので、ある意味もう少し現実に即した楽観的な子供の将来を考え、トラウマになるような教育や、価値観の押し付けを子供にすべきではないことを述べた。
 今回はその続きとして、トラウマの深刻な影響について少々述べ、大人も子供も自立せざるを得ない時代故の、想いを託さない生き方を提案して、締めくくりたい。

<世代間で繰り返す滑稽なトラウマの連鎖を断て 続き>


 自身の学歴コンプレックスや「今世間はこうだから」「お友達の子は〇〇の習い事を」「ナントカちゃんのお兄ちゃんは〇〇高に入った」などなど、しょうもないママ友トークなどの外乱や、自身の更に親世代の妙な期待やプレッシャーによって、子供育てについて思い詰めるのは好ましくない。

 おっさんもnoteで思想の発信をしていて、なにかしら多少煽っている部分もあるかもしれないが、世の中に蔓延する高すぎる理想や、それを叶えるためと称する「マインドセット」などのトンデモメソッドの横行、学歴社会・経済至上主義の過熱、共同体の崩壊に伴う道しるべの消失などがあって、度々、親が冷静な判断力を失い、子供に高すぎる要求をしてしまうように思えてならない。

 よしんば子供がいい学校など、ある程度良い所まで行けたとしても、そんなことではその先で、子供の人間力不足や相性の悪さが原因で脱落する可能性もある。

ならばいいところで妥協していた方が幸せということもある。


 高い理想をぶつけて、一方的に落伍者とされて苦しむ人生は、子供自身のプライドを大きく傷つける。何とも深刻な話だ。

 親のそうした弱さで人生を縛られたら「子供のためを思って」などといくら言い訳したところで、子供は絶対にそんな親を許さなくなるだろうと思う。
 世の中はままならないものである。それでも不機嫌全開で、子供が脱落するリスクも考慮に入れず、血反吐を吐くような消耗を続ける、世間でいうような理想の人生とやらを志して果たして正解なのか?

本当は冷静になって、家庭ごとに適切な目標を考える話ではないのか?

<子供も社会の一員として自立だが、大人も老後に自立が必要な時代>


 おっさんがここまで警鐘を鳴らしても、やはり教育方針を改めない人も居るだろう。無論完全否定もできない。程度問題でもあると個人的には思うが、これからは子供だけでなく、大人も老後に自立しなければならない時代になっていることを忘れてはならないと思う。

 現代は人の寿命は長くなり、一方で会社もいつまでも給料はくれない。年金はあるんだかないんだか。。。
 そして子供は親など振り返らず出ていく(無理な育て方をすれば縁さえ切られるだろう)。そもそも世話をしてくれそうな若い人は少なくなり、いても嫌われるだろうし、まともに雇うお金もない。それはそれは不確かで寂しい時代に突入している。

 こんな世界なのだから、子供に全振り投資はちょっと無謀かもしれない。

 ましてパートナーや子供自身の心をゴリゴリ削ってまで、庶民風情が、古い時代のキャリアプランを完全踏襲させようとするなんて、親子共倒れの危険すらある。


<翻って、親自身の生き甲斐の追及はある程度済んでいるだろうか?>


 一旦親自身の現状を思い出してもらいたい。

 歳を取れば取るほど、自身の想いの成仏は実現が難しくなる。想いが成仏しないと、子育てを終えて、現役を退いて後、いよいよ社会に不満だらけの迷惑な老人に自分がなりかねない。

 無責任と言われるかもしれないが、子供は子供で程々に考えて、自分の人生を生きることも視野に入れないと、後が辛いように思う。

<昔のように、子に想いを託すわけにはいかない>


 自分にはできなかったことがある、色々あって納得いくまでチャレンジできなかったことがある、その分、子供には頑張ってもらいたい。

 想いが成仏しなかった親はこんなことを言い出すようになる。一見、なんとも温かい絆物語のように見えてしまうが、子供に自分の負債を押し付けているだけであることを今一度意識して欲しい。親子互いに苦しくなるだけだ。

 子供への投資がちょぼちょぼであったとしても、気の毒に思う必要はない(奨学金負わせたらキツイけど)。

 どこまでやるかは、無理のないところで妥協した方がいい。親自身、冷静に考えてみれば、他者との比較や自身の親のプレッシャーで無理していることだってある。背伸びせずにやれることをやれば、子供は親にきちんと返してくれる。

子供に高い理想を遂げさせたとしても、それは子供の人生であって自分の人生ではない。そこをはき違えていると、むしろ親も子も結局、想いは成仏できない。


<最後に>


 無理に少子化解決を志しても、今の世代が生きているうちにはほぼ無理と分かる。だから慌てずにできることを積み重ね、失敗談でも、問題提起でも、考察を交えてどんどんアウトプットして未来につなげたらいいと思う。
 嘆いているだけでは思いは成仏しない。衰退する一方の世の中を受け入れつつも、怪しいメソッドに耽ることなく、柔軟で強かに生きたい。
 そして子供は、本当の意味で大事にしたい。自分の子はもちろん、それ以外の若い命全てを。そのためにはいつまでも昔の価値観のままではマズイのは述べてきた通りである。

 親は子に想いを託すのではなく、希望を託しつつそれを生き甲斐とする、それが少子化の進む現代において、おっさん達世代(40代ぐらいかな)のなすべきことではなかろうか。


 今回は友人の一人の悩みから発展して筆を勧めたが、そのアウトプットもまた、おっさんのアウトプットの素材となって、世の中にささやかな一石を投じることができたと思いたい。
 少子化社会において、独身者も、既婚者子持ちも、色々な考えを出し合いながら手を取り合い、幸福に生きられる社会を構築していただければと願う所である。

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