彷徨うおっさん7 おっさん流健康管理(後編:衛生とレクレーション)

 一生懸命に生きているだけなのに、もがけばもがくほど、望まぬ経験をしてしまう。こんな風に生きたい、こうすれば解決するかもと、色々試しているうちに歳ばかり取る。大概の人はそうして一生を終えるのかもしれない。けれども、その歩みの全てを否定はしない。経験はすべて肥やしだ。自分にとってだけでなく、多くの人にもそうなり得るだろう。そのためにおっさんは今日も筆を執ることにする。

 前回は食事と睡眠について紹介した。1日3食が当たり前とされる世間と違い、1〜2食、そして甘いものやお酒は少ないということをお伝えした。
 また、睡眠には妥協をしておらず、一定量と一定の睡眠時刻、起床時刻を守ること、そして時には場所を変えたり、誰かと一緒に寝ることの意味をお伝えした。

 今回はそれ以外の健康法として衛生とレクレーションについて説明する。こちらも個人差が大きいと思われるのであくまで参考に。また、今回については特に、人によっては信じられないと感じるところもあるかも知れない。
 社会性の問題もあるので、おっさんも妥協しつつ自分流を適用しているが、その辺りも踏まえてお読みいただきたい。

<皆、風呂に入りすぎ>


 風呂も実は1週間に1度で良い。おっさんも臭い臭い言われるので仕方がなく毎日入るようにしているが、毎度きれいな石鹸でごしごしやるまではやらない。流石に料理をする前などはきれいにしているが、普段から徹底的に清潔にしすぎるのはあまり良くないように思う。
 アトピーや肌の弱い人は石鹸を使わなかったり、程ほどでやめている。これはおそらく全員に言える良いことと思う。
 シャンプーも同様である。頭は洗いすぎるとすぐに禿げてしまう。湯シャンでいい。物足りなければ石鹸を少量だ。
 理屈としては体表面の油脂や常在菌を残すためとしている。痒みや刺激臭が出ていない限りは体に悪影響はないものと思う。
 石鹸のにおいがする体は理想的と言われることもある。だが自然界にそんな生物はいない。少なくともたかが数日風呂に入っていないからと言って大騒ぎしない方がいい。

<歯や口腔だけはしっかりケア>


 近代の我々が食べているものには大量の糖分が含まれている。また、やわらかくて歯にこびりついたり、間に挟まりやすいものばかりである。これらをしっかりと除去しなければ、あっという間に虫歯になってしまう。
 また、毒にしろ病原菌やウイルスにしろ、口腔から入って病気になることが多い。多少の感染症はかえって免疫になるとはいえ、歯周病などの外傷が原因の口腔内感染症は避けたい。また、認知症と口腔内細菌との因果関係を示唆する研究もある。十分注意したい。

 また、歯は年齢とともに失われていくものである。近年言われるように100年生きるのだとしたら、かつて人間50年と言われた時代の倍は保たせなくてはいけない。再生医療が完成すればなんとかなるかも知れないが、当面の医療技術では現在の歯を大事に使っていかなければならないだろう。

 50代も過ぎると、統計によると抜歯ないし自然に抜け落ちることによって歯を失ってしまう機会が顕著に増える。そうならないように若いうちから歯のケアはしっかり行うべきである。
 具体的には歯医者に行く事。3~4カ月に一度、虫歯がなくとも定期健診と同時のクリーニングを実施したらよい。
 会社の健康診断には歯科検診が含まれていないケースが多いと思われるので、自分で意識して行わないとならないだろう。

 歯磨き粉はクリニカアドバンテージやチェックアップなど、フッ素をたくさん含んだものが良い。また、磨いた後すぐに洗い流さずに、数分間歯になじませてから口をすすぐとよい。
 また、週に一回ぐらいは洗口液を使い、その後の食事で発酵食品などを積極的に摂取すると口腔内の善玉菌のバランスが増えるように思う。
 甘いものを減らすこと自体も、食事管理だけでなく口腔ケアにもなるので、改めてここでもお勧めしたい。

 また、フロスは使っているだろうか。おっさんは毎食後にフロスを入れている。本当によく詰まるし、歯並びの悪い箇所や治療痕の周辺には特に引っかかりやすい。歯間ブラシでは除去が難しいので、フロスは欠かせない。

<運動は激しくなくてもいいのでこまめに長時間>


 一番良いのは歩くことである。都心部であれば一駅歩くぐらいは躊躇なく行うべきである。財布のためにも。また、歩くときには平たんな舗装された道ばかりを選ばず、坂道や、土の上、飛んだり跨いだりしなければならない箇所をわざと通り、
身体感覚を鍛えておく
とよいだろう。山登りが趣味の人はその点はとても良いのではないだろうか。
 また、ちょっとびっくりしたり、恐怖を感じる瞬間を、月に数回は味わった方がいいようにも思う。あまり刺激がきついと心臓に悪いが、たまのオートバイ、少し高い所から下の景色を望める場所に立つこと、瞬発力や集中力が試されるようなスポーツやゲーム、子供の世話や遊び相手など、これらが体を自然界に適合させるのに最適と考えられる。

<ストレスは発散ではなく除去>


 ぱーっと飲み食いしたり、忘れるまで遊び倒すせるのはあくまで若者の特権である。年老いたらそういうのはやめて、無用なストレス自体を普段から避けるようにしたい。
 まず理不尽な要求や、まったく望んでいないことの長期継続は、多少立場を落としても辞めるべき。健康の方が大事であるし、従っても頭のおかしい人がちょっと気持ち良くなって終わるだけで社会にも害悪である。勇気を持って、自分のためにも絶対にやめて欲しい。
 10代ならまだしも、人によるが、20代後半に差し掛かって経験を十分に積むと、そうした理不尽系の多くは自身の成長にならず、逆に心の傷や、慢性的な心的ストレスの要因にもなると思えてくる。
 まして30代ともなると、明らかに健康上の数値に影響してくる。人生ある程度まで経験したら、ストレスはなるべく除去し、常に幸福で健全な生き方を志すべきである。

<その他、怪しげなメソッドを避ける>


 病は気からの回でも述べたが、怪しいメソッドには入れ込まないこと。過剰で高額なサプリや健康食品は効果も怪しくてお金もかかる。お金が無くなるのは単純にストレスにもなる。妙な薬や漢方も怪しい。同様にお金もかかる。

 適度な運動は良いとしても、プロテインをガブガブのんで負荷の強い運動をガンガンやるのは、余り健康的ではないと思う。もし、趣味のスポーツの目標達成なり、若々しい男性的な見た目といったものが目的であればやむなしだが、

 いい歳になれば、見た目の男らしさや美しさよりも、長く健康に生きることの方が尊いと思う。無理な体作りは寿命を縮めるだけで逆効果とおっさんは思う。

 エビデンスのない施術や、スピリチュアルな修行も好ましくない。例えば主要な宗教である仏教の伝統ある修行について、精進料理や身を切るような山岳修行など
科学が示す健康的な生活と反することが多い。

 これらの全てを否定するわけではないが、思うにあれは「死に近づくことによって死を実感する」「生命力と同時に煩悩を削り落とす」といった側面があるので、万人向けではない。いうなればプロテインガブガブの真逆というだけで、目的を持ってやるものであり、健康に悪いには違いないのである。

<結局自分で自分の世話をすることが大事>


 前回から色々と参考におっさん流メソッドを伝えてきたが、最初に述べたとおり、健康管理の方法は個人差が大きいことでもある。色々な方法を試してみて、一番合う方法を選ぶことが最良であると忘れてはならない。
 つまりおっさんのやり方はおっさんだけのものであり、あくまで参考としつつ自分なりの最適な健康法を見つけて欲しいのである。
 そのためには、自分で自分を診断し、注意深くメソッドを選び、メニューを組み上げるしかないと思う。時には医師の指導もあるだろうし、そこは頼ってもいいが、言われたことだけを言われた期間だけやっていればいいと言うのではお粗末である。
 例えばおっさんの周囲に、健康指導の期間が終わるや否や、すぐに食生活を戻し、甘いジュースやコーヒーを飲み始めた人がいたが、体に悪い習慣というものは、徐々に少しづつ直さないとすぐにリバウンドしてしまう。
 1年どころか、3年、5年かけて健康になるぐらいの計画性や意識がなければ難しいケースもある。通常医師はそんな長期間観察して細かい指導なんかしてくれないので、自分で自分の世話をし続けることが大事である。

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