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ウルトラQ・ウルトラマンの侵略者たち~ウルトラセブンと比べてみて

宇宙からの侵略者がテーマであるウルトラセブンにはほぼ毎回、色々な宇宙人達が登場しています。

では、ウルトラQからウルトラマンまでにどれほどの宇宙人や侵略者に相当するキャラが出てきたのでしょう?
リストアップすると以下のようになります。



火星人(Q・3話)

ウルトラシリーズ初の宇宙怪獣・ナメゴンを地球に送ってきたとされる宇宙人ですが、その正体は完全な謎とされています。

ウルトラシリーズでは時折、名前だけで姿を全く見せない宇宙人というのがちょくちょく存在しており、「一体何者なんだろう」という奇妙な余韻を感じさせてくれます。

ウルトラセブンでもこの「正体不明の宇宙人」は結構登場しており、ミミー星人、バンダ星人、さらには全く名前も分からない謎の宇宙人として17話「地底GO!GO!GO!」、32話「散歩する惑星」、33話「侵略する死者」の黒幕がいたりします。

シリーズ最初の侵略者からして正体不明というのは中々に挑戦的だったと言えるでしょう。

ただ、この火星人は侵略者というより「無闇な宇宙開発に対する報復者」という一面の方が強く、セブンではアンノンやペダン星人のルーツとも言えます。

元祖・宇宙怪獣ナメゴン

チルソニア遊星人(Q・16話)

通称「セミ人間」
ロボット怪獣のガラモンを2回を送り込んできた黒幕で、初の明確な侵略の意志と悪意をもって地球に挑戦してきた存在です。

セブンの宇宙人と違うのは、セブンでは怪獣を用心棒として連れて来ることはあっても、ガラモンのような尖兵を送り込んで母星から高みの見物をするというのはほとんど無いんですね。

せいぜい、マゼラン星人やリッガーを送り込んできた謎の宇宙人くらいとなっています。

ケムール人(Q・19話)

ウルトラマンも含めて、シリーズでは初の巨大化する宇宙人がこのケムール人です。
また、目的も侵略ではなくてあくまで個人の目的のために地球にあるものを奪おうとするタイプです。
若い命を奪うためにやってきた目的がセブンのワイルド星人と一致していますね。

地球侵略そのものが目的ではないけど、地球にある物を奪おうとする宇宙人の割合は、セブンでは少ない方です。
せいぜい、スペル星人、シャプレー星人、バンダ星人くらいしかいません。

ルパーツ星人(Q・21話)

地球人に友好的な宇宙人、つまりはウルトラマンのルーツともされる非常に重要な宇宙人です。

同時に変身することなく正体が人間のままのヒューマノイドタイプ宇宙人の元祖でもあります。

元祖ヒューマノイド&正義の宇宙人

セブンでは地球人に表裏なしで友好的な宇宙人というのはほとんどいません。ペガッサ星人のように本来は悪意はないのに立場上、敵対してしまうタイプやキュラソ星人のように敵対するのは一個体だけで母星は友好的という変わったケースしかありません。

キール星人(Q・21話)

ルパーツ星人と一緒に存在だけは明かされていますが、こちらも正体不明の宇宙人です。ただし、こっちは悪役となります。
近年ではようやく姿がお披露目になり、ルパーツ星人のようにヒューマノイドタイプの宇宙人というのが判明しました。

セブンでは完全ヒューマノイドタイプの宇宙人というのはインパクトが薄くなるためか、キル星人、マゼラン星人、サロメ星人と数は非常に少ないです。
大抵は予算不足を解消するために設定されているためか、キール星人のようにもれなく怪獣を引き連れているのも特徴です。にせセブンを用意するサロメ星人に関しては変則的ですが……。

ベムラー(マン・1話)

ウルトラマンの第1話で登場したベムラーは怪獣なので案外忘れられがちですが、「通常の怪獣よりも高い知能を持った宇宙怪獣」という新要素があります。

元々ウルトラマンはこのベムラーを犯罪者として護送していたという設定もあるため、明らかに通常の怪獣よりも扱いが異なっています。

実は知能が高い宇宙怪獣

この宇宙人に使役されず、宇宙人並みに高い知能を持つ怪獣、というのはセブンではダンカンが該当します。しかもダンカンの方は人間にも変身できるというおまけもあります。

バルタン星人(マン・2話/16話)

ご存じのバルタン星人ですが、元々は侵略者という訳ではありませんでした。
自分の星が無くなって仲間と一緒に宇宙を彷徨い、地球にはあくまで宇宙船の修理のためにたまたま立ち寄っただけでしかありません。
紆余曲折あって侵略者になってしまったのは、ちょっと不幸にも思われます。

仲間と一緒に宇宙を放浪していた、という点はペガッサ星人と共通しています。

また、バルタン星人はそれまでの宇宙人と違って空を飛んだり、光線を放ったりと様々な超能力を使える宇宙人の元祖でもありました。

特に分身能力はセブンではプロテ星人やガッツ星人も用いるほど、インパクト抜群の特殊能力です。

また、人間に乗り移る特殊能力を初披露したのも見逃せません。
実はセブンでは人間に乗り移るタイプの宇宙人は一切登場していません。あえて挙げるなら、占い師をメッセンジャーにしたダンカンや最終話のゴース星人が洗脳したアマギ隊員を介して話したくらいです。

ザラブ星人(マン・18話)

地球人に友好的……と見せかけて実はただの芝居で騙していた策士タイプの宇宙人の元祖となります。
セブンでは相手を騙したり善意につけこむ宇宙人はそれなりに登場しますが、それはペダン星人のような変身してのスパイだったりといったものがほとんどで、正体を堂々と明かしたまま暗躍するタイプの宇宙人は登場しません。

地底人(マン・22話)

宇宙人ではありませんが、地球内部からの侵略者の元祖としてはアリと言えます。
ゼットン星人を除けば怪獣を用心棒として引き連れている侵略者の元祖で、元は古代人という設定はセブンではノンマルトが同じタイプと言えます。

ジャミラ(マン・23話)

これも正確には侵略者ではないのですが、宇宙から円盤に乗ってやってきたという点では宇宙人と扱って良いでしょう。

宇宙人は基本的に光線を目や手から放つなどの特殊能力がありますが、ジャミラは初の「火を吐く宇宙人」と言えるかもしれません。

怪獣のように口から何かを吐く宇宙人、というとセブンではキュラソ星人やプラチク星人が該当します。これらの宇宙人は言葉を話さないというのも共通して、何を考えてるのか分からない不気味さがあります。

ダダ(マン・28話)

ウルトラシリーズの宇宙人はケムール人を筆頭にして何気にホラー要素が強い傾向にあるのですが、このダダも怖い宇宙人としてはトップクラスでしょう。

やたら怖い宇宙人です…。

セブンの宇宙人も全体的にシリアスではありますが、露骨なホラー要素がある宇宙人はワイアール星人やバド星人シャドー星人と結構いたりします。
ちなみに、この「ホラー的な宇宙人」となると演出を担当する監督は決まって野長瀬三摩地氏という共通点がありますね。

また、明確に武器を持っている宇宙人としてもこのダダが初になりますが、セブンでの宇宙人も銃を武器に使う宇宙人はかなり多いです。大体は等身大のままですが、バド星人みたいに巨大化もできるタイプもいます。

ケロニア(マン・31話)

宇宙人ではありませんが、地底人と同じく地球内部からの侵略者となります。

円盤群を率いてくる侵略者となると、ゼットン星人を除けばこのケロニアが初となります。
セブン登場の宇宙人はビラ星人やブラコ星人など、円盤群を率いている宇宙人はいっぱい登場しています。

メフィラス星人(マン・33話)

ウルトラマンに登場する宇宙人は多少は善戦することはあっても、強さはそこそこまでといった感じのものが多いです。ダダのように弱すぎるのもいますが……。
メフィラス星人は初の「ウルトラマンと互角の強さの強敵宇宙人」と言えるでしょう。

初の強敵

セブンに登場する宇宙人については、第1クール12話までに登場する宇宙人や怪獣はあまり強くないのですが、第2クール以降はそこそこ強い宇宙人が少しずつ登場してきます。

ただ、真正面から戦って強いと言える宇宙人はほぼおらず、セブンを負かしたガッツ星人も策略で勝利した面が強いのと再戦もせずに倒されたので、「セブンと互角以上に強い宇宙人」と言うのは、初の強敵であるアイロス星人以外はほとんど登場しませんでした。

ゼットン星人(マン・39話)

最終話に登場したゼットン星人ですが、実は当初は名前が不明の宇宙人という扱いでした。
何しろオープニング映像で「〇〇登場」という所でゼットンしか出てこない訳ですから。

ウルトラセブンではオープニング映像で敵の名前が出てこないのもあって、登場しているのに名前が劇中では分からない宇宙人というのがプラチク星人やテペト星人などそこそこいたりするんですね。


以上のように、Q~マンでは全57話中14体の宇宙人や侵略者が登場していました。
そして、どれも何気にウルトラセブンに登場する宇宙人に引き継がれていたり、はたまたそれが無くてセブンでは見られない宇宙人というのも結構あったのです。


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