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【学校の怪談】アサギの呪い~恐怖のロケ地の検証

みなさまは、「アサギの呪い」というドラマをご存じでしょうか?
これは2000年の春に放送された「学校の怪談 春の呪いスペシャル」というオムニバスドラマ内の短編作品の一つで、第2話として放送されました。

簡単なあらすじとしては、三人の女子校生が開かずの間となった地下室に閉じ込められ、さらに地下の防空壕らしき迷路の中でゾンビのような亡霊に襲われて次々に殺される……というものです。

リアルタイムで見た時ははっきり言って、トラウマになるほど怖くて翌日には学校でも話題になったほどでした。

VHSに録画して友達を集めて、ちょっとした鑑賞会までやったほどです。友達の一人は布団被っていました。

このドラマは現在、DVDでも見ることはできますがかなりプレミア化していますので、非常にレアな代物となっています。


謎の迷路

さて、このドラマの舞台となるのが学校の地下室のさらに下にある迷路となります。

この迷路については特に詳細は明かされませんが、恐らく戦時中の防空壕と繋がっていたということでしょう。

さながらRPGのダンジョンみたいですが、これはスタジオのセットなどではなく、ロケ地で撮影されたものです。

このアサギの呪いの演出を担当した監督は以下のコメントを発しています。

学校部分は『川崎球場』、迷路は『三浦の防空壕跡』とあります。
しかし、防空壕といっても色々な場所があるので、特定はできない……かと思いきや、探せば結構すんなり出てきます。

迷路のロケ地となったのは三浦半島・黒崎の鼻に存在する第一・第二洞窟砲台という場所です。

色々な方々がこの砲台跡を訪れており、実際のドラマ内のシーンと比較してみると「あ、ここはあのシーンだ」と分かってしまうのが面白いです。

動画1

動画2


各シーンと実際の撮影場所

今回、アサギの呪いのロケ地を検証するために、上記の関係各者様のブログに掲載されている画像やロケ地の地図を引用させてもらいました。
この地図を参考に、劇中のシーンと照らし合わせてみましょう。

※デビット佐藤さまのHPより引用・追記

●迷路のはじまり

迷路に入って序盤で杏子が「戻ろうよ」と言っているシーンはピンクエリアの通路で撮られ、三人は右手側から来ています。
左側の壁に小部屋への入口が見えます。

●血文字を見つける場所

るれらべたなんみ」という意味不明な血文字が書かれた壁がある場所は、赤エリアで撮影されています。
奥側には小さな穴に続く坂道が見えます。

三人は第一砲台の入口である下から歩いてきています。
後半、綾が一人で戻って来る場面では、右上の黄色エリアの通路から走ってきました。

血文字が書かれた壁は、赤エリア左の小部屋の入口の突き当りで、関連写真と見比べるとコンクリートの壁の形や上部にある二つの穴が一致しています。

●血文字の部屋

綾がアサギに追い詰められて殺される大量の血文字がある小部屋も赤エリアの②の小部屋が使われています。
映像では紙が一緒に大量に貼られていますが、これは血文字と一緒でセットの飾りであり、現地は基本まっさらです。(元からある落書きらしきものは映像でも薄ら見られる)

撮影後はちゃんと片付けて壁も掃除もしたということですね。

●迷路をさ迷う三人

三人が血文字の壁がある場所から逃げた後、迷路の中で迷うシーンは第二砲台入口の青エリアで撮影されています。
ピンクエリアに続く左手の通路から出て来て、⑭の小部屋に続く入口へと入っていきます。

●三人が隠れる小部屋

三人が隠れている小部屋はピンクエリアの⑫の小部屋の中が使われています。
ちょうど入口の壁の裏側に隠れており、アサギを目撃するカットは部屋の右上の角から見ています。

綾が驚いて隠れているのは、ちょうど入口の壁の右側になりますが、位置的にはここに隠れているとアサギを見るカットで姿が映っていなければいけません。

●アサギと遭遇する通路

迷路のはじまりの通路と同じく、ピンクエリアで撮影されています。
アングルや照明を変えることで風景の印象を変えています。

綾は最初、通路の左手側、紫エリア~水色エリアに続く通路をライトで見ていますが、反対側を恐る恐る振り向いて何もいないことにホッとします。
このカットでは青エリアの第二砲台の入口に続く通路や⑭の小部屋の入口が見えています。

でも、さらに次のカットには恐ろしいアサギの影が……。

アサギが真由を捕まえて殺す場面もちょうど⑫の小部屋の入口と壁の所で、真由は壁に追い詰められて殺されてしまいます。

●アサギの視点

時折、アサギの視点となるカットが挿入されますが、迷路部分では以下の二つのカットがあります。
これらのカットは紫エリアの⑪の通路で撮影されています。
上記の動画1で07:40頃、動画2の05:03頃あたりで映っています。

小部屋に隠れた三人を探すのと、最後に生き残った杏子を追いかける十字路のカットは左手側から十字路の方に進んでいます。画面奥に、青エリアの⑭の小部屋の入口が見えます。

直後のカットも同じ場所ですが、こちらは反対側から左手方向に進んでいます。
実際はすぐ後ろに三人の隠れる小部屋があるので、アサギはこの時点で通り過ぎたというのが分かります。

●逃げる綾と杏子

アサギに追いかけられる綾と杏子のシーンは複数の場所で撮影されています。

二人が照明をバックに逃げるカットは、黄色エリアの通路で撮影されており、画面右に小部屋に続く入口が一瞬だけ見えます。

画面右手に入口が見える

次のカットの曲がりくねった道は、緑エリアの通路で撮影されています。素掘りの小部屋が左にあり、そこに照明を設置しています。

さらに次のカットで二人が通る狭い通路は、水色エリアで撮影されました。位置的には上側の曲り道から、下に向かって走っています。
カメラは中央の分岐路の右側から撮られています。

画面奥は小さな出入り口に続いており、光が見えるのですが、恐らく何らかの小道具を使って、外がぼんやりとしか見えないようにされているようです。

●杏子が倒れる場所

杏子が力尽きて倒れてしまう場所も、同じく水色のエリアで撮影されています。
カメラアングルは出入り口に続く下側の通路から撮られ、アングルを変えて同じ場所だという印象を変えています。

杏子が目を覚ますカットや、綾が逃げるカットでは、分岐路の右側から、あおりのアングルで撮られています。

●迷路の一番最初

さて、最後にこのシーンなのですが、これは迷路に降りてきてすぐの奥に向かう場面です。
実はこのシーンや、終盤に杏子が地下室に戻る寸前で歩いているコンクリート張りの通路は上記の洞窟陣地ではありません。

電飾が天井に見える

これらのシーンでは天井の形から第二砲台の青エリアの⑬の小部屋から外を映しているようにも見えますが、微妙に天井の形が違うのと、カメラの位置的に三人が奥にフレームアウトする壁の位置等、一致するものがありません。

一つ候補として考えられるのは、ドラマの最初の舞台となる地下室です。

迷路への入口の階段

この地下室は、川崎球場という監督の証言がありますが、さらに地下に続く階段そのものも同じ場所で撮影されていると思われます。
なので、この階段の下の先も上記の撮影に使われたのかもしれません。

地下室自体のロケ地はさっぱり不明ですが……。

外で朝練をしている生徒達が映る運動場も、場所が不明です。

地下室からのアングル


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