シリーズ世界の名著『論語 荘子 訳/解説:貝塚茂樹』

 家で本を読むのもいいが、いつのまにかがっつりと、時間も空間も忘れ去ってただ読むことに潜心していくと姿勢がふにゃふにゃするのどうにかしたい。ゴロゴロ読むのもいいんだけどね。

 そんな中読み始めた、シリーズ世界の名著『論語 荘子 訳/解説:貝塚茂樹』

 論語や荘子がどのようにして、いつの時代の日本に伝わったかの解説が面白かった。
 日本書紀や古事記で言うとこのあたりの御世でと考えられる…などのくだり。
 またそこから先の国内伝播の流れも時代とたいへん興味深い。

 本文は意外なほど自由に解釈されている。
 訳者が様々な説からどういう立場をとるかによっても、訳される日本語の質や奥行きに変容があらわれ、それによっても鍛えられてゆく生成過程がたのしい。

 専門家が研究してもわからないようなところがあっても、それは必ずしも読む人の不都合とはならないな…その実感が得られたのが何より収穫かも…。

 巻末の年表からも、孔子と、当時の日本との対称をイメージしたりできて胸熱な本です。
 いわゆる歴史ロマンが読むモノの胸にみなぎってくるのは、シンプルに年表として並べられた事項が沈黙しているからだと感じた。

 歴史が無言なのはイメージを待っているからだ。鏡に触れるイマジネーション。その瞬間キラメキ跳躍するために…!

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