【米栗カレンダ 20200625】満足感。
おはなで、うたうのよ!
(扇風機をつけて寝たら、朝になって鼻がつまってしまった彼。
大人は鼻をかむことができるけど、まだ3歳の彼には難しい。
「鼻から息を出すんだよ」と教えたけれど、片方の鼻をおさえてもう片方の穴から息を出すのが彼にはうまく理解できないらしい。(いずれできるようになるさ……)と朝ごはんの準備をしていたら…
「見て!お鼻でうたうからね!」と彼がこちらを見上げる。
鼻歌を待っていたけれど、いっこうにメロディが聞こえてこない。
「お鼻で、歌ってるの? 」と確認すると、
「そうよ!見て!」
と彼はもう一度口をぎゅっと引き結び、オヤの顔をバシッと見つめてくる。…しかしメロディは聞こえてこな…あ、聞こえた!
なんと、彼の言う『お鼻でうたう』とは、鼻息でメロディーを奏でることだったのだ。
ぷっくり膨らませた鼻の穴から、ふすー、ふ、ふすーと幽かな鼻息で『大きな古時計』が聞こえてくる。
♪ふーすー、ふすすー、ふすすす……♪
「ほんとだ!お鼻で歌えたね!」と言ったら、
彼は得意げに笑って、まずまずの満足感を得て朝食の席についた。
「鼻をかむことができなかった…」で終わること無く、自分なりの満足を得るところまで行っちゃう君って、他の人から見たら爆笑もののことでも、なかなか素敵だと思う!)
取材、執筆のためにつかわせていただきます。