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平日休んで本屋に行く

それが、会社員として働いていた時の、わたしの一番贅沢な休日だった。

通常なら出勤日である平日に、一日ぽかりと有休を取る。
大多数が働いていて、日中、街を歩く人々が比較的少ない平日。
そこを勝手に、わたしの一存で、「おやすみ」にしてしまう。

そして、朝早くから本屋さんへ向かう。
大型書店がよい。
街で一番大きな本屋さん。
大体は早くとも朝10時にならないと開店しないので、途中でカフェに寄る。
朝早ければ、人気のカフェも空いていて座りやすいだろう。
うっかり長居しないように。

本屋さんへは開店と同時に滑り込む。
そこからは時間を忘れて、本棚の間をひたすらうろうろ、行ったり来たり。
足が疲れて痛くなったら、書店に併設されているか、書店付近にあるカフェへ行こう。

本屋さんは、非現実に一番近い日常だ。
無心になる。安らぐ。
たくさんの物語が、世界が、様々な色々が、片手で掴める世界。

できるだけ人のいない静かな平日、窓の向こうは時がゆっくりと流れる昼下がり。
ぽーっとしながら、時々コーヒーを飲むためにカフェに吸い込まれる。
贅沢な休日だ。
本は、買っても買わなくてもいい。
本屋さんに行ければそれで十分の幸せだ。

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