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くらげになりたい

小学生の時、なにかのドラマで「クラゲには脳がない。死ぬときは消えるようになくなる」ということを知ったわたしは、くらげになりたいと思うようになった。わたしの小学生時代にはプロフ帳(プロフィール帳)というものが流行っており、「生まれ変わったら何になりたい?」という欄に迷わず「くらげになりたい」と書いていた。脳が無ければ、嫌なことを嫌だと思うこともなく、人間関係(くらげ関係?)にも悩まされず、ただ何も考えずに、ぼーっと水の中を漂って生きていけるのだと思っていた。それほど人生が嫌だったのだろう。しかもくらげって幻想的ではないか。くらげは漢字で「海月」とも書くらしい。海の月。すごく素敵だ。海の中にふわふわと浮かんでいる月。そんな素敵なものに憧れていた。水族館に行ってもくらげのところに永遠にいたかった。特に好きなのはミズクラゲ。白くてやわらかそうでかわいい。ふわふわと浮かぶくらげを見ていると自分の心も安らぐ。今はようやく人間も悪くないと思えてきたが、一度でいいからくらげになってみたい。ああ、水族館に行ってくらげが見たいなあ。

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