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公文のくり返し計算が苦手なお子さんへ-数学教材編集者のわが子の幼児教育-

筆者の職業は、算数・数学の教材編集者。大学で数学教員免許を取得。小学校・中学校で算数・数学の講師経験をもつ。長男が5歳になり、ようやく自分の作った教材を取り組んでもらえる日が近づいている。

佐藤ママの影響で、公文に今年の2月から通い始めて半年が経つ。佐藤ママは、3男1女を東大理Ⅲに合格させたスーパーお母さん。

『私は6歳までに子どもをこう育てました』の中では、「4~6歳で、公文の小4レベルまでやっていた」とあった。おそるべし…。

小学校に入ったら、勉強時間が大半を占める。特に算数は、計算がスラスラできて、自信をもって楽しんで授業に取り組んでもらいたい!そんな思いもあり、公文に通い始めた。しかし、何度もくり返す単純計算に長男が「やだ!やらない!」とかたくなになり、「やりなさい!」とイライラ怒ってしまう時期があり困ってしまった。先生に相談すると、↓

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これと言って、解決策はないものか…。

しかし現在は、集中して取り組めるようになってきた。

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今回は、「やだ!やらない!」をどう乗り切ったかの方法と、算数教材編集者の視点から「くり上がりのあるたしざん」の考え方を紹介する。

公文と学校の教科書では、教え方が全く違う

「くり上がりのあるたし算」について考える時、教科書では「10をひとまとまり」と考えて計算する。また、下の例では「4は1と3」という「いくつと いくつ」の考え方も重要になってくる。

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この考え方は、「くり上がりのないたし算(3+4など)」を学んだあと、「いくつと いくつ(4は1と3など)」を練習してからおこなう。そうすることで、小学2年生で学習する「ひっ算」に考え方をつなげていけるのだ。

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↑明治図書「くりかえしけいさんポケモンドリル」より

公文では、カリキュラムが「たす1」から始まり、くり上がりのあり・なし関係なく「たす2」、「たす3」……「たす9」、「たす10」と続くのだ。

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教科書で学ぶ「10のまとまり」や「いくつと いくつ」という考え方がないので、ひたすら数え上げることになる。たとえば、

4+7=

「4たす7は、5,6,7,8,9,10,11」で答えは「11」というように。

「やだ!やらない!」をどう乗り切ったか

1 「ドラえもん」や「ポケモン」のシールで、できたらシールを貼る
メルカリで、長男がいま好きなキャラクターのシールを購入。子どもはシールが大好き。ドリルだってピアノだって、合格して終わったらシールを貼るのが大好き。なんとか、シールで取り掛かりをつけていた。

2 毎日、決まった時間にやる。習慣を崩さない。
保育園に通う長男は、朝、保育園に行く前の20分くらいで算数のプリントを5枚終わらせている。横にベッタリついていることはできないので、最初だけ一緒にやったりする。帰ってきて、夕飯を食べたら、ひらがなを5枚終わらせている。

3 親がその日に取り組むプリント、鉛筆、消しゴムをワンセットでリビングの机の脇に毎日見えるように置いておく。
「やりなさい」と言っても、5歳では準備ができない。親が先回りして見えるところに置いておけば、朝ごはんを食べながら、「あ、今日はこれをやるんだな。食べ終わったらやらなければ。」という気持ちにさせるようにする。

4 最初は一緒に取り組む。
最初の取り掛かりが、ひとつの山。最初は一緒に答えを出したり、親が答えを書いてあげる。わが子はどうしても、甘えてしまうので。親がやってるのを見て、子どもも少しずつ書いてくれるようになる。

5 「数の表」を使う。

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市販の公文のドリルの付録についている「すうじのひょう」を見せながら答えていく。たとえば、

8+3=

のときは、「すうじのひょう」の「8」のところに鉛筆やマグネットを置いて、「8たす3は 9、10、11」のように声に出しながら、11のところまで鉛筆やマグネットを動かして答えを出す。そうすることで数の順が定着する。

6 リズムに合わせて手をたたきながら、一緒に数え上げていく。
「たす5」までは、右手で「たす〇」の数を示し、左手でテンポをたたきながら、右手がジャンケンの「グー」になるまでリズムに合わせて一緒に数え上げる。「たす6」からは、子ども自身にも指を使ってもらい、数え上げる。

公文は同じ計算ばかりで、子どもの「つまらない」は、もっともなことだと思う。しかし、毎日の勉強の習慣づけや、論理的思考の武器(基礎)となる計算力は、やはり重要だ。

この先も、できれば「楽しく学ぶ」をモットーに、親として、そして算数教材編集者として、さまざまな方法で学べる工夫をしていきたい。



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