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レーモンド建築と再起のための美意識

熊本市中心部にあるビルの外壁が、数か月前に復活したとニュースになりました。

1969年に日本のモダニズム建築の草分けとされる建築家アントニン・レーモンド氏の事務所が設計し、タイル張りの模様もレーモンド夫妻がデザインしたものです。有田焼のタイルを使ったモダンなデザインですが、90年代の改装で化粧板で覆われて見えなくなっていました。
その後2016年の熊本地震で被災したことでビルを改修する途中、化粧板の下に残っていたタイルに「文化的な価値がある」と復元を決め、約3年かけて今年完成しました。

90年代に何があったのか分かりかねますが、「有名建築家の作品の価値がわからずに化粧板で覆い隠す」というのも、すごい話ですね;
擁護するとすれば、撤去しないで覆い隠したから、数年後に復旧できたということでもありますが…

先日、山口周さんのTwitterがこの話とリンクするかと思いメモしました。

「美意識の回復」という問題に苦しんでるということを初めて知りました。文化、芸術、伝統は脈々と続けて行くことで醸造され、人々の美意識に影響を与えているのでしょうね。すぐ前の時代のものを全否定して新しい価値に刷新するということは、よくある話です。明治維新や戦後のように。

建築には莫大な費用がかかるため賛否両論が出るのは当然なことですが、後世に美意識を繋ぐという視点で考えることも必要なのではと思いました。

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