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一切衆生は三毒に由って三界の苦を感ず

現代語訳は「貪り、怒り、愚かさが、人生の苦しみを生む」。空海の言葉です。「道をひらく空海の言葉」という本を書店で見つけて読みました。

読書の秋

ということで、結構たくさん紙の本を買いました。

三冊とも500ページ前後の長編です。買ってから気づいた共通点は、「ちょっと先の未来を考察する本」。不安だったんでしょうね;
実は入院してまして(良性腫瘍の切除で明日退院)、こんな時でないとゆっくり読めないと思い買い込みました。

で、もう一つサクッと読める本も買いました。こちらは未来ではなく過去、しかも1,200年以上も前に生きていた空海の本です。

瀬戸内芸術祭が好きで香川は巡るものの、高知県と徳島県に行ったことないなぁ...お遍路してみたいなぁ...ということと、PodcastやYouTubeで大人気「コテンラジオ」を聞いて空海に興味を持ったことで買った本です。

空海の言葉

はじめに
日本史上、最も有名なお坊さんの一人、空海は活躍した時期から1,200年以上も経た現代でも人々に親しまれています。全国を旅して回ったこともあり、空海さん、弘法大師、お大師様など、さまざまな呼び名があるだけでなく、各地に銅像や信じられないような伝説が語られており、とても身近な存在です。

この本は空海のいわゆる「名言集」で、見出しに空海の言葉の現代語訳と原文、そのあと現代に置き換えた解説が見開きで書かれています。
朝一番に開いて、おみくじやオラクルカードのような使い方もできそうです。
ということでこの記事のタイトルは、書く前に開いたページです。

三界といっぱ三毒是れなり
一切衆生は三毒に由って三界の苦を感ず

貪欲(どんよく)…物事に満足できず、いくら手元にあってもたりないと貪り続けるような執着
瞋恚(しんい)...自己中心的な怒り
愚癡(ぐち)…真理を知らない愚かさ
三毒といわれるこれらの煩悩は、私たちの心を平安から遠ざけます。

仏教で「苦」は「思い通りにならないこと」を意味しているそうです。

よく、「他人と過去は変わらない」と言いますが、思い通りにならないから苦しいということは現代でもよくあることです。この問いの答えは「自分と未来は変えられる」ですが、きっと「苦」は形を変えて次々とやってくることでしょう。

そんな苦しみだらけの人生を、私たちはどう生きればいいのでしょうか。それは「小欲知足」の心を忘れないことです。まだ得られていないものを欲しがったり、持っているのにさらに欲しがったりするのをやめ、すでに手元にあるものに満足して喜ぶこと。それによって欲望の火も消され、苦しみからも解放されるでしょう。

過去を振り返るでもなく、未来を不安に思うわけでもなく、今を味わうということでしょうか。日日是好日のようなものかな?

1,200年以上前の言葉なのに今でも心に響くということは、人間はいつまで経っても同じようなことに悩み苦しんで、でも何らかの形で解決したり忘れたりしていくのかなぁ。そして、やっぱりお遍路したいと思ったのでした。

最後に、写真は「空」と「海」。NHK Eテレ「ねほりんぱほりん」的なダジャレです(笑)
空はあまり写ってないし、空海と縁もゆかりもない沖縄だけど;

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