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ロッケンロールばばあになる方法

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カワイイおばあちゃんになるなんて無理! ならば、ロックなばあさんになればいい!日々のいろいろ、てきとうに更新。
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クワイエット・プレイス

怖い話は大の苦手だったけれど、ナイト・シャマラン監督の『シックス・センス』を観てから「感動するホラー」が好きになった。そして昨日観たのは、予告編からしてすっごく怖そうな『クワイエット・プレイス』。 とにかくこの映画は「映画館で」観てください。ほんとうに怖いけれど、それ以上に感動します。配信とかスマホとかはお勧めしない! もし映画館以外の場所で見るなら、真っ暗にして、静かな環境で、できればひとりで、ぜひ! 始まった直後から、観ている方も「音を出したら死ぬ!」と本気で思って

ひげ

父が退院して2週間。敏腕ケアマネジャーFさんのおかげで、あっという間に万全の体制が整った。あとはサポートしてくれる人たち(訪問看護師さん、往診の医師、ヘルパーさん、訪問入浴の業者さん、介護器具の業者さんなどなど)に助けてもらいながら、なんとか父を生かしていく。 最初の1週間はとにかくぐったり疲れた。ハイになった母は、動きっぱなしにしゃべりっぱなしで、寝たきりの父より上手につきあうのが難しかった。そんな母もようやく落ち着き、わたしたちも泊まり込みはなくなり、今がいちばん静かな

在宅介護はじまる

父が退院して1週間。姉の友人であるケアマネさんのスピーディな手配のおかげで、看護師さんの訪問介護、専門医のリハビリ、医師の往診、週2の訪問入浴が決まり、手が回らない部分を助けてくれるヘルパーさんもお願いできることになった。 たった1週間で、たくさんの方々が父のために動いてくれ、母は何枚もの契約書にサインをした。 私たち3姉妹は日替わりで泊まり込み、父の食事の介助からシモの世話までできる限りのことをした。夜中に高熱が出たり、顔だけ異常に火照ったり、毎日なにかしら起こる父の変

メイバランス

あんなに食いしん坊で、なにがあっても食欲だけは落ちなかった父だが、もうほとんど固形物が食べられなくなってしまった。 昨日姉たちと夕食の時間まで病院にいた。同じ病棟の人たちはみんな、部屋ではなくロビーの大きなテーブルに着いて食事をする。けれど父は車椅子も危険なので部屋食。いつもは看護師さんが介助してくれている。 食事の時間になっても、メイバランス(小さな牛乳パックのような見かけの栄養食)しかこないので、あれ?忘れられているのかな?と思ったら、そのメイバランス1本が1食分だっ

ケチをつけられたら

「こういうことをやってみようと思うのだけど」。なにか新しいことに挑戦する意思を人前で宣言したとき、ときどきケチをつける人が現れる。 反対意見ならばいい。それが参考になったり、自分が考えもしなかったことに気づくことも多々あるから。 「ケチ」というのは決して反対意見ではない。マイナス面を強調してやる気を削ごうとしたり、自分の経験を持ち出して「わたしができなかったのだから、あなたにできるはずがない」と遠回しに言ってくる類のもの。野次といってもいい。僻み妬みから出ることもある。

心が擦り減るとき

子どものころからアトピー体質で、年に数回、外に出られないほど激しく症状が出ることがある。市販の化粧品はもとより、処方された軟膏さえ火傷のように痛む肌には苦痛なほど。 そんなとき、わたしにとっての救世主は、ある地域で美容サロンを営むRちゃんだ。サロンで使われている、ある化粧水がわたしの肌にぴったりで、特に症状が酷いとき、これがなくては生活できないほどなのだった。 Rちゃんはとにかく気前のいい人で、わたしがオーダーした量の2倍を超えるその化粧品を、頼んだ分だけの料金で送ってく

読書ノートをつけてみる

あるイベントでいただいた「読書ノート」。わたしにはきっと不要なものだから、欲しい人がいたら差し上げようかと思っていた(もらいものだけれど)。それが急になんだか書いてみたくなって、ほそぼそと付けてみることにした。新年だし、なにか新しいことを始めるにはちょうどいいし。 去年までのわたしは、読書ノートを付けるのが大の苦手だった。小学生時代からだから、筋金入りの苦手分野といっても過言ではないだろう。物心つく前からこのうえなく本が大好きで、手元に活字がないと取説でもいいからとにかく文

「見える」ようになること

このマガジンと並行して、「さよならリスト」というマガジンを不定期更新している。 始めたいきさつはここに書いたとおりなのだが、これを始めてなにがよかったかといえば、とにかく「いらないものが見えるようになった」ことだろう。 それまでのわたしは、手元にあるモノすべてに思い入れがあり、なにが必要でなにを手放せばいいのかが、まったく見えていなかった。だからこそ、何度挑戦しても片付けが上手くいかなかったのだった。 ほとんど変わり映えしないような自分の生活も、よくよく見ればゆっくりで

2017年の最後に

今年を漢字一文字で、というのをやってみると、わたしの場合は「旅」だ。 旅行に出かけたのは6回。それが多いのか少ないのかはわからないけれど。今年の旅は、ひとつひとつが忘れがたく特別だった。そういう実質的な旅もふくめ、精神的な旅っぽい1年だったことは間違いない。 7月にnoteを始めて、週に1回更新することに挑戦してみた。これもひとつの旅。友達や知り合いなどにも知らせず、いきなりふらっと始めたから、ひとり旅みたいなものかもしれない。 週に1回でも、こうして書ける場があること

切っちゃえ!

久しぶりに髪をバッサリ切った。 肩甲骨の上あたりでしばらくキープしていた長さを、15㎝くらい落として肩より短いボブに。衿元が少し寒いけれど、すっきりして気分がいい。 それまでバッサリやるつもりなどなかったのに、美容院を予約したあたりから、むくむくとわいてきた「髪切りたい病」のせいだった。 数年ごとにやってくる「髪切りたい病」。そのもともとの原因を辿れば、20代のころに遡る。 そのころわたしは、背中まで届く長い髪をソバージュにしていた。 長さもボリューム感もたっぷりある髪

「ぼっち」と「ひとり」はどこが違うか?

わたしはひとりが大好き。                       正確にいうと、ひとりの時間が大好きだ。 本を読んだり映画を観たり、写真を撮ったり小説を書いたり。 以前、「本当にやりたいことは、ひとりでやる」という記事を書いたけれど、よくよく考えてみればわたしはずっと前から「好きなことはひとりでやっている」率がとても高いかもしれない。 言い換えれば、わたしの好きなことは「ひとりでできること」が圧倒的に多いのだった。 読書や映画鑑賞はもちろん、ひとり暮らしも、ひとり

買えばいい。

先日、「好きなお店が消えていく」という記事を書いた。 内容をひとことでいうと、贔屓にしていた洋服屋が閉店することになってショック、と、ただそれだけのことなのだが、実際に心身に受けたダメージは大きかった。なぜなら、わたしはここの服のサイズにぴったりの体型で、ちょっとクラシックなテイストもたいそう気に入っていたからだ。 わたしが大金持ちなら店ごと買い取りたいくらいだが、残念ながらそういうわけにもいかない。今の時代、アパレル業界は本当に売れなくて苦労しているらしい。服をいくらも

ちっちゃいこと

今日はちっちゃいことをひとつ。 「しおり」 おしりじゃなくてしおり。本についていたり、ついていなかったりするやつ。細いリボンのようなもの。 先日、古本屋で見つけたちょっと古めの単行本を買った。大好きな作家の連作短編集。美しい挿絵がたくさんついていて、持っているだけでうれしい本。それがたったの108円だった。 わたしは主に電車の中で本を読む。そろそろ降りる駅、というところでしおりを挟む。リボンをひらりとページに……あれ? なんだかいつもと感じが違う。電車を乗り換えて、再

好きなお店が消えていく

先日、ショックなダイレクトメールが届いた。 贔屓にしている洋服屋さんからの閉店のお知らせだ。 そこは、あるブランドがもつ唯一の旗艦店で、わたしの大好きな店だった。ここ10年くらい、古着以外はほとんどといっていいほどその店で買っている。 とはいっても、少ない予算のなかでの買い物だから毎月とはいかず、2、3カ月に1回というときもあれば、セール品ばかりを狙って買こともあったけれど。 売れ上げ金額は少なくても、お店のファンで長く通っている客、ということで、お店の人にもとてもよくし