神仏分離に思うこと
神仏分離などと
つくづく馬鹿なことをしたものだ。
王政復古などと言いながら
仏教を興し栄えさせよとしたのは
王政を執り行っていた天皇ではないか。
この3年ほど神仏分離は講座のテーマのひとつとなっているけれど
歴代天皇がどれほどの思いで仏教を頼られたか
史実に触れるたびにあらためてやるせなくなる。
大覚寺は、もとは嵯峨天皇の嵯峨御所だった。
そこへ空海が持仏堂を建てたのが嵯峨天皇崩御より30年後に
大覚寺となった。
ここには嵯峨天皇が書写された般若心経が祀られている。
その年、疫病が流行っていたが嵯峨天皇が般若心経を書写されると
収まったという。
類似のことは枚挙にいとまがないけれど
つまるところ日本においては天皇が率先して
神仏を共に奉っていたということだ。
水戸学に影響された彼らはよく調べもしないで
仏教を邪宗とする理論を鵜呑みにしたのではないか。
それを利用した者は
そもそもどちらでもよかったのだろうけれど。
日本人はどれだけ自国の文化をみずから踏みにじってきたか
どこかでちゃんと省みないと
どのみちまた同じことになるだろう。
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