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11 梅すだれ 肥後の国

 浜次郎の家には妻のタイと、三人の子どもがいた。上から12、10、6歳の子どもたちに「さる!さる!」と慕われたものだから、猿彦は森での一人の生活とは一変して騒がしい毎日を過ごすようになった。タイも見知らぬ猿彦を怖がることもなく、まるで初めから家族であるように接したし、村の人たちも「山から下りて来た猿」がいると、珍しがりながらも温かく迎え入れた。

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