28-7 梅すだれ 雑賀 お滝の恋
待ちわびるお滝の前に、マサはいつにも増して顔を緩ませて現れた。
「おタキちゃん、会いたかったなあ」
お滝が言葉を返す間もなく、マサはお滝を抱きしめた。
マサの焼けた肌からは昔懐かしい父ちゃんの匂い、海の香りがする。お滝は浦賀にいた頃を思い出して、ここが私のいる場所なのだと雑賀に来て以来初めての安心感を感じた。
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