20-5 梅すだれ 肥後の国
海に面した高台で木に縛りつけられた与兵衛は、幾日も海風に吹かれて過ごした。
隣の木の下に座り込んだ役人に、
「口を割らぬか。死んでしまうと。話せば解いてやると言うとっと。」
と何度言われようと、与兵衛は原城のことを話さなかった。
全部で何人いるのか?
どこに誰がいるのか?
益田四郎はどこにいるのか?
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