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梅すだれ

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恋も仕事も頑張る江戸女子、お千代の物語!ですが現在、猿彦や松之助など天草の隠れキリシタンのストーリーから、雑賀の国の物語が展開中。
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2022年5月の記事一覧

18-7 梅すだれ 肥後の国

自分のしでかした罪に直面した松之助は気怠さに襲われた。これから自分はどうなってしまうのか、家族は村はどうなってしまうのか。答えなく悩み苦しみ、まるで今まさに磔にされているようであった。そんなんだから、この苦しみを分かち合えるイエスへの想いは消すどころか、ますます強くなってしまう。

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18-6 梅すだれ 肥後の国

深くイエス・キリストに心酔する松之助であったが、懸念もあった。あの集まりに一緒に行った五人のうち二人は同じ村の者だったのだ。それに加えて村は違うが埋め立て作業で見たことのある者が一人いた。

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18-5 梅すだれ 肥後の国

「みなさんの働きで荒れた地が蘇っていきます。しかも皆さんは新しい地を作って神に近づいていく。主は喜んでいらっしゃいますよ。祝福は必ずもたらされます。」

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18-4 梅すだれ 肥後の国

一行は道らしきものを辿って上へ上へと山を登ったが、突然道を外れて左へと入った。しばらく歩くとまた道があった。その道は平らなまま続いていて、歩いていたら左が谷になった。足一つ分の幅しかない山の端を、滑り落ちないように慎重に進んだ。

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18-3 梅すだれ 肥後の国

十字架を手に入れた松之助は、お藤の髪の毛を探さなくなった。暇を見つけては山の中をうろつくが、目的は大きく変わっていた。

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18-2 梅すだれ 肥後の国

松之助が切支丹に魅入られたのはほかでもない、キリストが十字架に磔になっている絵を見たからだ。それは伊予で行われた絵踏の時であった。

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18-1 梅すだれ 肥後の国

冬のある朝。いつものように猿彦は浜でみんなが来るのを待った。ここには土を運ぶ台車が置いてある。一台の台車に少なくとも四人が必要だ。人数が多ければそれだけ積む土の量も多くできるから、六人で一台を運ぶことが多い。

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