5月21日授業ふりかえり

今回のテーマは「主張文」「問題発見(悩み相談)」と続いて「紹介文」です。授業では最初に前回の課題講評から始めましたが、スライドで書いているとおり、みんな悩み相談の文章が良くできていて驚きました。「娘と父親」という身近なテーマだったことと、「相手に語りかけるように書く」という切り口がわかりやすかったんでしょうか? 学生のコメントペーパーでも「悩み相談がおもしろかったので、またやってください」とリクエストが出たほど。ちょっと考えてみたいと思います。

さて、今回のテーマ「紹介文」は、ビブリオバトルとの絡みで始めました。ちょうど今回でビブリオバトルが一周したので、ある程度感覚がつかめてきただろうと思ったからです。ビブリオバトルは5分という長さが厄介なんですよね。そこで前半と後半で2分半ずつ分けて、それぞれ違う内容を話して、メリハリをつける。んでもって前半で概要を理解してもらい、後半で共感してもらって、「読んでみたい」につなげる。そうしたテクニックを紹介しました。最後に書いてあるとおり「型」を紹介したわけです。

ホントはこの授業はライターのテクニックを教える、すなわち「書く」ことがポイントです。ただ、書くより話す方が時間が少なくて済みますよね。んでもって効果的に「書く」のも「話す」のも、ちゃんと事前に考えなくちゃいけない。だったら、どんどん本の内容について語ってもらうことで、文章のスキルアップにもつながるのではないか・・・そんな風に考えてやって授業を進めています。実際、今回から2冊目に突入するということで、だんだんと学生の読書傾向もわかってきて、おもしろくなってきました。

また、紹介の際にはシド・フィールドの三幕理論にならって、作品の要旨を整理してもらうようにしました。ヒューマンアカデミー秋葉原校のシナリオ科では映画を見たり、小説や脚本を書いたりする授業もあり、そこで三幕理論について解説がなされていたので、これ幸いとばかりにのっかった次第です。ちなみに資料を作りながら「走れメロスって良くできているなあ・・・」とあらためて理解が深まりました。穴に落ちた主人公が穴から出ようとして対立や葛藤に襲われる、なんてハリウッド映画的な展開なんでしょうかw

もっとも、映画と小説は違うメディアなので、三幕理論でおさまらない内容のものも、たくさん存在します。純文学(最近だと「コンビニ人間」とか)などは特にそうですね。ただ、フォーマットの一つを体得してもらう分には効果的なんじゃないかなあ・・・。こんなふうに決まった物差しで、さまざまな作品を分析していくと、うまく当てはまるもの、当てはまらないもの、いろいろな作品や表現があることがわかってきます。そこから自分の物差しを作り上げてもらえればと期待しています。

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