6月18日授業ふりかえり

気がつけば前期も残り少なくなってきて(全12回の予定)、あわあわしている今日この頃です。今までの授業資料を見ればわかるとおり、「雑誌・Webライター」の授業では、さまざまな記事の「パターン」を紹介し、それに即して書いてもらうことを目的と続けてきました。理由は簡単で、早く書けるからです。ライターにとって重要な要因の一つに「手が早いこと」があるため、まずは形から入ってもらうことにしました。

それに対して「情報学」のほうは、今ひとつふらふらと指針が定まらず、ここまで来てしまっているような気がします。というのも、当初この授業を打診されたときは「情報学」ではなくて「編集術」だったんですよね。でも、自分が編集者をしていたのは、もう20年も前の話です。そのため正直言って最近のWeb界隈の編集のことは、よくわかりません。なので、自分じゃないだろうという思いがありました。

また、編集者の仕事で一番大切なことは「コンテンツをマネタイズすること」だと思っています。自分もよく雑誌編集をしていたころ「編集は自分で書いちゃダメ、ライターに書かせてナンボ」だと言っていました。その上で本がヒットしたら会社がもうかって、ヒットしなければ返本の山に追われる。それが編集者の仕事であって、それがしんどかったのでライターにジョブチェンジしたんですよね・・・。

ただ、あらためて講義資料をまとめながら、編集者というのは「顧客視点でモノを考える」仕事なんだなと実感しました。最近ではゲーム制作でも顧客視点が強調されますが、出版は最初からその視点が求められたんだなと感じた次第です。なので発想がプロダクトアウトではなく、マーケットインになってくる。そこでしばしば作家とぶつかる。さあどうしよう、打ち合わせだ、企画会議だ、弁証法だ・・・こういったことを会社員時代に、もっと体系的に学ぶ機会があれば、また違ったかもしれないですね。

んでもって最近は電子書籍の市場が次第に大きくなってきていて、それと反比例するように既存媒体の市場がどんどん小さくなってきていて、作家も自分でセルフプロデュース&コミュニティマネジメントしていくことが求められています。なので、こうしたマーケットインの発想法が、どんどん重要になっていくんだろうなあ・・・などと考える次第です。もっとも、昔からできる人はできていたんですよね。ホントに天才は凄いですね。

また、アニメキャラのポジショニングマップを作りながら、「そういえばホントに宮崎アニメには『社交的』な『美人』がいないなあ」と再発見した次第です。「カリオストロの城」の峰不二子とか、まさに「人から借りてきた猫」みたいな据わりの悪さがありますよね。旧ルパンの不二子もショートカットにして、かわいい系になっちゃいましたし(そういえば新ルパンの最終回って峰不二子は出てきたんだっけ?)。

こんなふうに、いろいろな軸でポジショニングマップを作って見ると、思わぬ発見があるという話でした。何かの役に立てば良いのですが・・・





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