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抗うつ剤を超える効果のある治療法

過去に、うつ病に対して、運動と抗うつ剤の効果の比較をした実験があった。

ウォーキングなど一定の強度を保った運動を毎日行うグループと、抗うつ剤を服用するグループに分け、2~3か月後の結果を測定するという内容です。

両者のうつ病改善効果はなんと…

同じくらい。
両者ともそれなりにうつ病が改善しました。

なんだか肩透かしをくらったような気持ちになるけど、実はこれには続きがあります。

注目すべきは実験から半年後の、うつ病再発症率。

両者の再発症率は、
抗うつ剤:38%
運動:8%

と、運動による治療の方が再発率は30%も低いという結果でした。

運動は習慣的に行うほど効果が高まります。

習慣付いた運動は、改善においてだけでも抗うつ剤に匹敵する効果があり、なおかつ再発を防ぐのに、これ以上のものはないということです。

おまけに副作用もなし。
実際、アメリカの精神病院では、薬よりも運動を推奨するところがあるらしいです。

ただ、ひとつ注意点があります。

全てのうつ病患者が運動すれば良いのかというと、そういうわけではありません。

例えば、うつ症状が強く、その影響から体を動かすことが少ない(できない)人がいたとします。

うつ症状の重さを無視して運動させてしまうと、文字通り症状が強いまま体が動くようになります。

そうなると、場合にもよりますが、これまで体を動かすことがなかったために事もなく過ごしていた人が、体だけは動けるようになって、自殺企図が行動に移しやすくなってしまうことがあります。

要は、「意欲向上が仇になる場合がある」ということです。

だから、むやみに体を動かさせるのではなく、必要であれば抗うつ剤とうまく併用して実施することが大事。

これはホントにデリケートな治療経過を辿る必要があるので、決して独断では行わず、精神科医に相談しながらやってほしいですね。

今回はうつ病と抗うつ剤について話したけど、認知症・認知症薬にも当てはまります。

薬が一切ダメというわけではありませんが、薬だけに頼るとうまくいかないことが多いので、認知症の様々な要因を潰す作業をしていくと、改善も夢ではなくなります。

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