おいしいなんて言ってもらわなくてもいいんだからね!

ここ数年、ほぼ毎日食事の支度をしています。私の悪い癖として、評判の良かった料理を繰り返してしまうことがあります。

卵があまり好きではない上の子が、たまたま作った親子丼を「おいしい」と言ってくれたことがありました。卵と言えば子供に食べさせたい食材の一つ。親子丼なら割と簡単に作れるのでこれはいいと思った私は、週一くらいのペースで親子丼を作っていました。すると上の子が、

親子丼嫌だ。

というようになってしまいました。日々の食事のメニューを決めるというのは難しいものです。

私が作った食事について、家族が「おいしい」と言ってくれることはあまり多くはありません。私の料理が下手なだけ?いや、毎日家族のために食事を作っている人で、これに共感してくれる人は多いのではないでしょうか。

先に誤解のないように言っておくと、家族、特に妻は私が毎回食事の支度をしていることに感謝してくれています。それは言葉にも出してくれます。決して、おいしいと言ってくれないことに対して不満を抱いているとか、食事の支度が嫌になってしまうということはありません。

家での食事というのは、生活の一部です。言ってしまえば当たり前のこと。当たり前に繰り返される毎日の生活に、あまり感想を抱くということは少ないのではないかと思います。

毎日の食事に対してそうそうおいしいというリアクションが返ってこないことは、そういうものだしと考えておいた方が良いと思います。それでもやっぱり「いつもご飯を作っているのに何の反応もない!」と不満が爆発してしまいそうになることもあります。

ある時、何の気になしに作った副菜があります。キャベツを茹でて、鰹節と干しエビを和えて麺つゆで味付けしたものです。これをおいしいと言ってもらえると考えて作ったわけではない、栄養の足しにしようと思って作ったものです。

それを「これおいしい」と言ってもらえたのです。正直、そんなリアクションが返ってくるとは思っていなかったので、嬉しかったというより驚きました。「おいしい」という言葉は、食事の支度をする人にとって最高の誉め言葉です。

それでも、私は改めて、おいしいと言ってもらうことを目指そうと思わないようにしようと決めました。そんなことよりも大事なことは、家族の、食べてくれる人を支えることが、日々の食事の目的なのだということを意識していたくなったからです。

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