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団地かずお

「団地ともお」というアニメをご存知ですか?Wikipediaによると、ビッグコミックスピリッツに連載され、NHKでアニメが放送されていたそうです。

僕は娘がケーブルTVで観てたのをたまたま知ったのですけど、これが小学生男子の下らない遊びや日常を的確に描いていて、ちょっと懐かしくもあり、子供番組なのに実は大人向けなんじゃないか?と思わせる箇所も随所に散りばめられていて、とても面白く観てしまいます。

なんでこんなに「団地ともお」推しなのかと言うと、僕自身が団地っ子だったからなんです。

団地の名所赤羽の公団…今で言うUR住宅ですね。その12階に住んでいました。ベランダからは敷地内にある公園と、保育園と、通っている小学校が見下ろせました。

だから…あっ!AちゃんとBちゃんがブランコで遊んでる!とか、Cちゃんの母ちゃんが歩いてる!とか見えたものです。

廊下側なら、エレベーターホールを出てから自宅のドアまでの間に匂いで「あっこの家は今日はカレーだな」とか「ここん家は魚の塩焼きだな」とか分かります。

エレベーターホールや踊り場では男子はメンコ、女子はゴムだんをして遊んでいました。ちょっとピンと来ないかもですが、エレベーターホールと言ってもテニスコートの3/4くらいの広さがあったんです。

2階には野球が出来るくらい大きな広場がありました。よくそこで手打ち野球をして遊んだものです。

1階の広場では夏に盆踊りが開催され、その日ばかりは子供達も夜の外出が許され、沢山の出店で綿飴とかあんずを買えました。

1階には商店がいくつか入っていて、さながら団地専用の商店街の様で、住民皆んながそこで買い物をするので、夕方は大賑わいでした。

パン屋さん、薬局(ドラッグストアなんて呼び名はまだ無かった)、クリーニング屋さん(カメラのフィルムの現像もここでした)、本屋さん、魚屋さん、酒屋さん、お肉屋さん、八百屋さん、歯医者さん、中華料理屋さん、銀行がありました。

パン屋さんの軒先には「平安京エイリアン」とか「ドンキーコング」とか「ゼビウス」等のゲーム機があり、そこに行けば誰かしら友達がいました。

でも、今では殆どシャッター商店街の様になってしまいました。恐らく近隣に安売りの大型店舗が何軒か出来たからだと思います。数年前にその光景を見た時はとても寂しかったです。

それと当時、14階で口裂け女を見かけたという話もありましたね。もちろん単なる噂です。その様な住民がいた訳でもありません。ただ当時の団地は住民じゃなくても誰でもエレベーターに乗って何階まででも入って来れたので、セールスの人や、集金の人や出前の人に混じって不審人物がいたという可能性は考えられます。

飛び降り自殺をしようと他所から来るというのも考えられますし…。

そんな悲喜交交の思い入れが沢山の「団地」を舞台にした話なので「団地ともお」が好きなのです。

僕、こんな音楽を作っている人です。


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城南画報
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