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六田登の"F"とマイケル・ギルモアの「心臓を貫かれて」の正反対なエディプスコンプレックス。

記事を書こうとしたら「募集中のお題に投稿する」という文言が見えたので、その中から好きな漫画家について書いてみたいと思います。

と言っても僕そんなに熱心な漫画の読者でもないんです。そんな僕が単行本を全巻揃えた作品は浦沢直樹先生の"monster"と"20世紀少年"そして六田登先生の"F"です。

この"F"は僕の大好きなモータースポーツをテーマにしていて、それだけでもとても親しみやすいのですが、この作品の根元にあるテーマは典型的なエディプスコンプレックスであり、主人公の赤木軍馬が偉大な父親を尊敬し、恐れ、愛し、追い越していくという話です。軍馬が父親を追い越す為の手段としてスピード、誰よりも早いスピードを追い求めたというある意味とても単純な話なのですが、その過程において様々な犠牲を払います。人命も失います。しかし結果的にはエディプスコンプレックスを克服します。

方や連続殺人犯の実弟マイケル・ギルモアの著書「心臓を貫かれて」によると、連続殺人犯のゲイリー・ギルモアは自らの死をもってしかエディプスコンプレックスから逃れる事は出来なかったのかな?という気がします。ゲイリー・ギルモアは幼少期より父親から凄まじい虐待を受けて育ってきましたが、同時に父親を愛してもいました。父親が亡くなった時に一番悲しんでいたのもゲイリー・ギルモアでした。ですが結局父親からの愛情を受けることはなく、殺人を犯し自ら銃殺刑を望み、それだけは叶えられました。

という事で"F"と「心臓を貫かれて」は、一方は娯楽作品の漫画であり、一方はノンフィクションですが、同一のテーマと正反対の結末にちょっと思いを馳せてみた次第です。

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そんな僕はこんなアルバムをリリースしている売れないミュージシャンなんです。



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