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生演奏の仕事〜衝撃のお客様ゼロ〜

僕は演奏の仕事をしていて、何度かお客様0人という状況を経験しています。その中でも特に印象的だった現場の話を今日はさせていただきたいと思います。

これは依頼自体は普通によくあるタイプのもので、飲食店でのディナータイムの演奏でした。

場所は都内でしたが、僕にとって全くなじみのない東東京の方でした。世田谷の自宅から車で1時間半といったところでしょうか?

僕は生まれてこの方、板橋区、北区、練馬区、世田谷区といった西東京側で生活してきたので、東東京側は全く土地勘がないのです。

当日午後4時頃に現場入りしてリハーサルをしているときに、近所に住んでいるという知り合いが一組聴きに来てくれました。予約を取って来てくれたそうです。

そしてリハーサルも終わり本番開始の時間が近づいてきました。しかしお客さんは全くいません。

その店は演奏がメインのいわゆるライブハウスではなく、ごく普通の飲食店です。

ちょっともう昔の話なので何曜日だったか忘れてしまいましたが、飲食店のディナータイムにお客様が全く入店して来ないのです。

それでも時間になったので僕たちは演奏を始めました。お客様は知り合いの1組だけです。

その時は確かワンステージ30分を2回だったと思いますが、結局ワンステージが終わるまでお客様は知り合いの1組だけでした。

さすがに気まずかったと思ったのか、1ステージだけ聴いて食事も終えてその人たちは帰ってしまいました。

誰もいなくなった店内で、2ステージ目が始まる時間に演奏するかどうか店主に聞いたような気がしますが、定かではありません。

でも多分演奏したんでしょうね。誰もいない中で突然誰かが入ってきてもいいように演奏していたような記憶がうっすらあります。

でも結局は演奏終了するまで誰1人入っては来ませんでした。お店側も気の毒ですが、僕らも交通費や駐車場代等経費も諸々かかってますし、何よりその日の予定をこの為に空けていたのでやはり痛手でした。

いろんなところで何度も何度も生演奏の仕事を請け負っていれば、たまにはこんなこともあります。大勢のお客さんがいるのに誰も聴いてくれないのもなかなか惨めなものですが、わざわざ衣装を着てステージで誰もいない客席に向かって演奏するのも情けないもんです。


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