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生演奏の仕事道具〜ギブソン、チェット・アトキンスCE〜

僕が生演奏の仕事でメインで使用してきたのは、ギブソン社のチェット・アトキンスCEというモデルです。

年式は多分90年代なのでヴィンテージとは言えませんが、もう結構古いですね。

最近は"レリック仕様"といって新しいギターに長年使い込んだ様な風合いを出すのがトレンドですが、僕のチェット・アトキンスCEはリアルに塗装はひび割れ、金属パーツはくすみ、あちこち傷だらけです。でもそれは風合いというより単に使い込まれた古いギターという感じですけれど。

チェット・アトキンスCEは当時としては珍しいソリッドボディのエレガットです。今でこそGodinとかありますけど、ハウリングに強いソリッドエレガットの先駆けと言えるモデルだったのではないでしょうか?

僕はチェット・アトキンスCEの前は、オベーションのN724というモデルを使用していました。とても弾き易いネック形状で、これもとても良いギターでした。しかしなんせ大きいギターでした。ハードケースも本当に巨大で、運搬する際は嵩張って大変でした。それと一度、本番直前に故障して大変な思いをした事があります。

そんなこんなで諸々あってチェット・アトキンスCEに買い替えたのです。

チェット・アトキンスCEは重量は結構ありますが、何せ小さい。ボディはテレキャスターを一回り大きくした程度です。厚さはほぼテレキャスターと同じか、ちょっと厚いくらい。これは移動には重宝します。

音はソリッドボディなので、確かに空気感みたいなものはありませんが、そこはリバーブで対応します。後はなんと言っても頑丈です。それは生演奏の仕事をする上で最も大切な事です。

チェット・アトキンスCEのちょっと嫌なところは…僕、ロングスケールのネックが好みなんです。テレキャスターとかL-5とか。レスポールはミディアムなのであんまり好きじゃ無いんです。これは音の話ではなく単なる弾き心地と見た目の事ですが。

以前バードランドというギターを試奏した事があります。ショートスケールが特徴の素晴らしいギターなんですけど、僕には合いませんでした。短いんです。ネックが。ってショートスケールなんだから当たり前ですけど、左手がとても窮屈で。あれだけずっと弾いていれば慣れるのでしょうけど。

なのでチェット・アトキンスCEはミディアムスケールなところ。その点だけがちょっと嫌ですけど、それ以外は概ね気に入っております。

なんせ、灼熱のステージも、極寒のステージも、雨中のステージも、砂浜のステージも、盛り上がったステージも、誰もいないステージも、大勢に無視されたステージも、全てを共にしてきた相棒ですので。


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