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由布院にジャズの香りと色彩を感じた。

3日目。
旅の最終日。

朝食に伺う。
素晴らしい席をご用意下さっていた。

静謐としたこのカフェが大好きになった。
ずっとこのカフェで、この席で
移りゆく太陽の光と共に過ごしたいと思った。

全国でも3本の指に入るくらい好きなカフェになりました。
どうも有難うございました。
ご馳走様でした。

朝の、とても素晴らしい時間だった。

漸く由布院の、この御宿の時間に馴染んだような気がする。
もう一泊したい。

朝食の帰りにお土産屋さんに立ち寄る。
朝食のアイスカフェオレがとてもとても美味しかったので、自分用にアイスカフェオレ用のリキッドを求めたが
これが本当に美味しくて、1本しか購入しなかった事を東京に帰ってから、心から後悔した・・。
天井桟敷さんの珈琲は本当に美味しい!!
ここで、お世話になっている方々へお土産を求める。

お部屋に戻り、少ししたら
昨日注文していたおはぎがとどく。
ここの御宿のおはぎは人気があって美味しいですよ、と伺っていたので
じゃあ頂こうと。
(おはぎのために朝食のトーストには手をつけなかった)

お茶を自分で淹れるつもりだったが
お茶も一緒に添えて下さっていた。
有難うございます。

おはぎは、餡子の甘さがかなり控えめで
きな粉が香ばしく
上品な口当たりで
食べやすかった。
煎茶も香り良く、チェックイン時と同じく
煎茶の温度だった。
とても美味しゅうございました。

最後に、もう一度内湯を楽しみ
支度をしてチェックアウト。

とても、印象に残る滞在だった。
必ず再訪しよう。
そして、この御宿にふさわしい自分になろう
と、心に誓う。
温かいおもてなしを、本当に有難うございました。


チェックアウト後
一旦荷物を預けに、徒歩で駅へ向かう。
道すがら
『ジャズとようかん』さん発見。
ピアノのデザインの羊羹が有名ですが
ジャズを切り口にした、デザインやセレクトが色々あって
勿論楽しかったのだけど

あ・・・、

と思い

私は、こういう事がやりたかったのでは?

と思い出した。

音楽で完結しない
日常生活に浸透した音楽
ジャズを切り口としたライフスタイル

音楽を始めた頃
そういう音楽を作りたい、と思い
お店やデザイナー、クリエイターさんと
沢山コラボさせて頂いていた時代を思い出した。

曲と、歌のクオリティを上げなければいけない事
何とか音楽で生き延びていかなければいけない事
で頭がいっぱいになりすぎていた。

お店でかかっていたのは
NU JAZZと言われたジャズのジャンルの音楽で
図らずしも
自分が当時夢中になったジャズのスタイルだった。


駅で荷物を預けた後で
ミュージアムに向かう。

『音楽とは世界をテクストとしたメロディーである』

というセンテンスに
ガツンと頭を殴られて、目が覚めたような気がした。

ここで拝見させて頂いたデザインの数々から
音が沢山聞こえてきて

そうだ
そもそも、こういう音楽を歌いたかった

という事を何度も何度も思い出し

不思議な原点回帰というか
自分の中の澱みや濁りがボロボロととれていった。

ここのミュージアムの音楽は
ジャズがモチーフではない。

しかし、自分の中の堰き止められていた音が
ばぁーっと流れ込んできた。

あまりに衝撃だったため
併設のカフェでクールダウンするのに2時間弱
居座らせて頂いた・・。

このカフェでは、昨日食べ損ねたロールケーキを頂けると知って
何とー!!
と思ったのだが、既に今朝甘いものを頂いたため
ロールケーキは次回の楽しみという事で。


由布院と言えば
クラシック音楽が盛んな地である。

しかし
私はどうしても由布院はジャズと相性が良い
と思わざるを得ないくらい
ここにジャズの色彩と香りを
と感じてしまった。

もし、由布院でジャズフェスを開催すれば
運営の仕方次第では、全国からお客さんもプレイヤーも集まるイベントになる潜在的な何かを感じた。
(それを由布院側が望んでいるかどうかはまた別問題として)

私が成功している経営者であれば
絶対にスポンサーになって
イベンターに企画・運営を依頼するのになぁ

と、本気で思った・・。

実際はしがない個人事業主の身の上なんで・・。

もし、万が一何かの間違いで
大金を扱える身分になったら(笑)
その時はきっと由布院にジャズを持ち込みたい
と決意。

同時に、自分の音楽にも
風を入れてくれた
音楽やっていくためにも
どうしても生き延びなければ
など、ビジネス的な側面で頭がいっぱいになっていた自分を
由布院の風とアートとデザインが
純粋なプレイヤーに戻してくれた。

思いもしない、予想外の出来事だった。

癒しを求めて由布院に旅をしたら
刺激とモチベーションと
音楽に対する一番純粋な気持ちと原点回帰を
自分にもたらしてくれた。

何という邂逅であり
また僥倖であろうか。

(後日談だが、この気持ちと音をもって
7/12のライブに臨んだ。自分からは何も言わなかったが、パフォーマンスで
私に何かあった、今までと違うと
気付いた人は気付いてくれた。嬉)

旅の底力を
またしてもまざまざと実感してしまった。

旅に出るまで
何があるか、何に出逢うかわからない。
今回は
まさかの自分自身との原点の音楽
との再会となり
由布院という街の
潜在的な可能性との
出逢いとなった。
全く予想だにしなかった事。


これらの出逢いが
自分のこれからを引っ張り出して
導いてくれる。
自分自身を洗い仕立て直してくれる。

これだから、旅はやめられない。

不思議な気持ちと
ふつふつととめどなく湧き上がる
音楽へのモチベーションと逸る気持ちを抱えて

名物のお蕎麦を頂いた後で
(スッキリしたお出汁にトロトロのチャーシューが本当に美味でございました)

私は由布院を後にした。

由布院は一度訪れると虜になる人も少なくなく
季節に一回
毎月(!!)
必ず訪問する人もいるのだとか。

タクシーでそんな事を聞きながら
まさか、そんな
(しかも、どんだけ金あるんだよ)
と内心思っていたが

自分がすっかり由布院の虜になってしまった。
毎月はともかく
季節に一回訪問できるくらいになりたい。
そして、由布院で音楽出来るくらいになりたい。

旅をして
土地・街との出逢いが
自分の新たな人生の可能性と選択肢となった。

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