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地味に続くもの。

娘が手足口病になり、2日ほど自宅で療養していた。熱は無く、発疹もそこまで無かったのだが、口の中にできたらしく、食欲が減退していたためだ。
ようやく落ち着き、食欲も戻って、安堵している。
誰かに接触するわけにもいかず、かといって家にある絵本は読み切ってしまったので図書館に行き、娘には絵本、私は本を借りて、家で読んでいた。

私が今回、借りて読んだ本は『ざくろちゃん こんにちは』バンド、SEKAINO OWARIのメンバーである彩織さんが妊娠、出産、育児をテーマに書いたエッセイ本だ。これが予想よりも面白く、すいすいと読むことができた。文章との相性が良かった。
妊娠することへの戸惑いやマイナートラブルなど、自分の妊娠時期を思い出し、深く頷きながら読んだ。
何気なくかけられた言葉にモヤモヤしたり、労わって欲しいという気持ちと葛藤する気持ちに板挟みになったりする。
「病気じゃないしね」
これは私も言われて、モヤっとした言葉だ。わかってはいるのよ。言う側の気遣いから発しているものだとわかっている。けど、なんかモヤる!!
病気じゃないんだとしたら、じゃあ、この辛さは何!?みたいなね……行き場のない気持ちになっていた。
自分の体が自分だけものではなくなっていく感覚はとても不思議だし、違和感といえば違和感だ。
出産後のホルモンの動きはジェットコースター並みに激しく、自分の余裕を奪われていく。作者はパートナーである夫への苛立ちや攻撃性がすごかったと書かれていた。私の場合、攻撃の対象となるパートナーがいなかったが、男性への嫌悪感が強くなった時期もあった。
今はどうかと云うと悟りの境地のように何とも思っていない。多分、子供を出産したことで目的を達成したことで、もういいやと興味のリストから消去されたのだろう。だから、再婚(そもそも初婚もしてないのにな)を勧められても、私は無表情だ。はっきり云うと性欲も無い!!もうしたくない!!

妊娠、出産、子育ては神聖化されやすい。でも実はそんなことないし、生活の一部なのだ。けれど、人の人生や生活を大きく変える出来事でもあるのだ。それを読んでいて、改めて再確認した。


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