見出し画像

リズと青い鳥を観た。

先日、アニメ「響け!ユーフォニアム」シリーズを全部視聴しました。そのスピンオフとして独立した映画作品になっている「リズと青い鳥」を視聴したので感想を記したいと思います。

大人になりきれない「共依存」

仲良しの二人組、という枠組みにとらわれすぎて「あなたしか見えない」という関係性は、特に若い女性の間で起こりがち。
百合とまでは言わないが、女子なら人生の中で体験、もしくは見聞きしたことが必ずあるその関係。

鎧塚みぞれちゃんは、自己肯定感低すぎ、コミュ力も低め。でも努力と才能の塊、つまりは天才のようです。
ただし彼女はその自覚も自信もないため、中学のころに仲良くしてくれた傘木希美ちゃんに精神的に隷属しきっていて、希美を通してしか世界をみようとしてない。
卵から孵ったヒナが刷り込みをされるかのように、のぞみのぞみしている。でもこういう子っている。

一方、傘木希美ちゃんは、明るく快活、人望もあり元気いっぱい。みぞれちゃんが重い感情を向けていることも気づいているのかどうなのかわからないが、友達もたくさんいて朗らか。
でも若干無神経で、無邪気さゆえなのか少し自分勝手のようにも思える。

リズと青い鳥

実在しない架空の童話。リズの前に現れた青い髪の少女は実は鳥さんで、お空に返してあげないといけないんだけど、リズはさみしくなるのがいやで鳥かごに閉じ込めたい、、と悩むけど最後には解放する話。

コンクール自由曲「リズと青い鳥」

この曲のメインはオーボエとフルートのソロ演奏が掛け合うところ。部内実力者のオーボエみぞれとフルートのぞみが担当する。
でもなんだか嚙み合わず、顧問にも注意される。フルートのぞみは「がんばろうね!」と明るく励ます。
みぞれが思い悩んでいるのは「リズが青い鳥を解放することが理解できない」ということ。表現の部分。

進路のこと

みぞれものぞみも、進路についてまだ迷っていた。そんな時にみぞれは特別講師から音大に興味はないかと声をかけられる。そのことを知ったのぞみは、「私も音大にいこうかな」と軽く言い放つ。
みぞれは「のぞみが行くなら、、、私も!」とのぞみのぞみする。

結末(ネタバレ)

自分をリズに重ね合わせていたみぞれだったが、逆に自分は青い鳥であるという解釈を行うことによって自身の心も解放され、のぞみへの依存心が薄れ自立した精神を獲得。それにより表現力が覚醒し吹奏楽部全員が度肝を抜かれるほどレベルの高い演奏を披露。
のぞみは、自分と同等(もしくは格下だと思ってたハズ)と思っていたみぞれと自分の間に歴然としたレベルの差を感じて恥じ入る。
そして二人はそれぞれの進路を決め、それぞれ歩みだす、、的なかんじ。

個人的な感想

ここから本題です。
すごくおもしろかったし、アニメというより実写映画のようでした。往年の岩井俊二映画のようなテイストを感じた。

それはおいといて(おいとくのか)
私、のぞみ嫌いだわ~~~~と思ってみてました。
みんなと仲良くして、その場その場で調子よいこと言うやつって印象。明るくて面白くて、悪い子じゃないだろうけど適当すぎる!
「私も音大いこうかな?」の一言は明らかにみぞれへの嫉妬と羨望、みぞれのこと若干見下してますよね。いつまでも自分を追いかけているみぞれでいてくれって感じ。
だから大した決意もなく軽くそんなこと言える。みぞれが振り回されることはわかっているくせに。で、悪びれもなく「やっぱ音大やめよ」と言える。
なんじゃこいつ!!

だから、みぞれ覚醒モードで演奏を披露し、愕然としたのぞみには内心この言葉を贈ったね。
ざまぁ!
でもそのあとも、のぞみいきなり卑屈になるじゃないですか。それもなぁ、、なんだかな。ずるいのはあんただよと思いました。
そもそもTVシリーズ第二期で部活に復帰するときの無神経さもうんざりしたものです。

みぞれちゃんの依存心の強さも、見てて心配になりましたが
最終的に独立した一歩を踏み出せてよかったです。このままマイペースにプロ演奏家になっていただきたい。

優子ちゃんが一番いい子。
裏表無くて。

おわり。



この記事が参加している募集

アニメ感想文

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?