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なぜ「良い男」が婚活市場にいないのか?

本noteのターゲットは婚活に励むアラサー男性なのだが、たまには女性向けの記事も書いてみたい。しばしばアラサー婚活女子が「婚活を始めたものの、良い男が全然いない!」と不満をこぼしている。こうした女性に対してSNS上では、そう主張する女どもは「高望み」をしているだけだ、と批判している。本稿では、この「高望み」という現象を恋愛市場と婚活市場の需給バランスの違いから説明しつつ、じゃあ「高望み」している女性はどうすれば結婚できるのか?を検討したい。

恋愛市場と婚活市場は異なる

まず議論の前提として「恋愛市場」と「婚活市場」は似て非なるものである点を理解する必要がある。法律的には結婚相手は1人だが、恋愛する相手が2人以上いても(倫理的には問題だが)犯罪ではない。恋愛市場は主に男性の●欲にドライブされており、ヤリモクや既婚者が参入し、複数の恋人(=セカンド、セフレ等)を作ることが事実上黙認されている。

こうした現象は統計から裏付けられている。例えば以下の記事によると「現在、恋人がいる」と回答した女性の割合は男性のそれよりも一貫して多い。男女が同数であると仮定するならば、1人の男性に対して平均1.5人ぐらいの彼女がいることになるじゃないか!なんでやねん!

恐らく、この調査における「恋人」は本命か否かは問われてないだろう。そもそも女性側からしてみたら、自らがセカンドやセフレであると認識していない可能性もある。薄々感づいていても、自らをセカンドやセフレだとは認めたくない女性もいるだろう。

恋愛と結婚の需要ギャップ

要するに、恋愛市場の方が婚活市場よりも女性に対する需要が大きいのである。この現象を図解するために、需要=男性→女性、供給=女性→男性というシンプルな需要・供給曲線を描いた(注)。話を単純化するために、女性の供給は恋愛市場と婚活市場で変わらないと仮定する。また恋愛・結婚は金で取引する訳ではないのでY軸を価格とするのはおかしい気がするが、マッチする相手の市場価値(を金銭的価値に換算したもの)…って感じで解釈すれば合点がいくと思う。

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理想的な婚活市場にはヤリモクや既婚者がいないし、相手も1人しか選べない。男→女に対する需要が上図のA→Bに下がるとする。すると取引量も均衡価格もA→Bに低下する。つまり恋愛市場で穴モテしていたセカンド女子・セフレ女子が婚活市場に参入すると、マッチする機会(=取引量)は減るし、お相手の男性の市場価値(=均衡価格)も下がってしまう…可能性がある。これが「良い男がいない」の正体だろう。

余談だが、上記の需給関係を理解すると、なぜ多くの出会い系アプリが男性に課金させ女性を無料(or 低額)にしてるか理解できる。アプリという恋愛市場で、男→女への需要を抑制し、女→男への供給を増やすことで均衡価格を下げようとするなら、そうするのが合理的だろう。

婚活女性はどうすれば良いのか?

上記の恋愛市場と婚活市場の需要ギャップのはざまで苦しむ婚活女子は、どうすれば良いのだろう?既に有識者に指摘されていることではあるが、マインドセットの切替が求められる。

謙虚になる

婚活女性が「今までの私は増長していた。これからは地に足をつけて婚活しよう」とマインドセットを切り替えることができれば、婚活がスムーズに進むかもしれない。でも拗らせている女子ほど難しいだろう。特に伝統的ジェンダー意識に囚われている女性ほど、交際した・結婚した男の市場価値=自らの女として価値だと捉える傾向がある。ハイスペ男性の本命になれなかった過去を認めて理想を下げることは、自らの女としての価値が高くなかったことを受け入れることである。それを拒絶して、あくまでも恋愛市場でマッチした男性と同等の結婚相手を探そうとすると、上図の取引量がA→B'まで下がり、婚活難民になってしまう恐れがある。

男性に対する評価の軸を改める

上記グラフでは、恋愛・婚活市場で活動する男性の市場価値を同じ尺度で評価している(だから同じ軸上にある)。でも、その前提条件ってそもそもおかしくないか?よく恋愛向きな男性と結婚向きな男性は異なる、って言われてるじゃないか!いくらハイスペ男性を射止めても、もしその男性が家事・育児負担を全部押し付けてくるモラハラ男性だったら、結婚生活は幸せじゃないかもしれない。

「良い男がいない」と言う女性は、目の前の男性を評価する際の基準が恋愛市場にいた頃からアップデートされていない可能性がある。もちろん恋愛結婚なので、デートで男性がスマートにリードして奢ってくれたら、そりゃトキメクだろう。でも、そのような「女扱いしてくれた」という評価項目の全体に占める割合を減らして、他の側面を評価することができれば「良い男」に出会えるかもしれない。

自分の魅力を更に高める

上記のような価値観の転換を「妥協」と呼んで拒否するのならば、自らの市場価値を更に高めて婚活市場で闘うしかないだろう。でも女性の魅力で1番大きな要素は年齢なので、歳を重ねれば重ねるほど厳しい闘いになる。妥協したくない女性ほど早くから婚活を開始し、短期決戦に持ち込むべきである。

アプリに逃げる現象

上記の概念を理解すると、しばしば拗らせた婚活女性が結婚相談所からアプリに逃げる現象を説明できる。出会い系アプリの罪作りな点は、1つのプラットフォーム内で恋愛市場と婚活市場が混在している点である。女性は婚活しているつもりでも、マッチした男性はセフレを探しているだけかもしれない。まぁ出会い系アプリ上の男→女に対する需要は、恋愛市場とそれと見なすことができるだろう。

結婚相談所等の「ピュアな」婚活市場で苦戦しており、過去にアプリでモテてきた経験がある女性が、アプリに逃げたくなる気持ちは理解できる。でもアプリは婚活市場ではない。アプリでモテたとしても、その出会いが必ずしも結婚に繋がるわけではない。まぁ20代ならアプリで色々な男を物色するのはアリだと思うが、三十路過ぎて真剣に結婚したいのであれば、婚活する場は考えた方が良いだろう。


注:筆者は経済学を専攻していた訳ではないので、もし理解に誤りがあった場合はご指摘頂けると嬉しいです。すいません💦

まじめに記事を執筆しています。もしご支援頂けたら嬉しいです!