[映画]シャイニング

#大雑把にレビューする

スティーヴン・キングもスタンリー・キューブリックも好きなのに、そしてこれはなかなかの名作と名高いのになぜか長年スルーし続けてしまっていた映画...
自分は突然の大きな音で驚かせる系のホラーが苦手で、逆に心理的にグイグイ追い詰められる系のホラーは大好物です。
なので、ホラー映画となると「音で驚かせる系かもしれない」という警戒感からなかなか腰が重くなりがちなんですよ...

以前みたレディープレイヤー1でもシャイニングのパロディシーンがけっこうな尺で入っており、「シャイニングを見ていたほうがより楽しめる」という前情報もあったのに未試聴での鑑賞となりました。
↓レディプレイヤー1のお話はこちら

こんだけ鑑賞動機がそろってて、Amazonプライムでは無料なのにスルーし続けるのはおかしいじゃんってことでついに鑑賞しました。

前置きは長くなりましたが、これ確かにいい映画です。

冬の間は豪雪のため無人となる巨大な観光ホテルを住み込みで管理する家族に起こる怖いお話で密室型サスペンスと言えるでしょう。
原作は未読なのですが、映画版は「原作を大きく改変しており原作者のスティーヴン・キングが怒った」って話も有名です。
ただ、巨大な無人観光ホテルという非日常の舞台を映像としてみるだけでも面白くて、そのセットを容赦なく荒らしたり破壊したりするシーンはある種の爽快感があったりもします。

この映画から受け取った一番大きなメッセージは「愛する家族が狂って自分に牙をむき始めたとき、相手を殺すくらいの勢いて抵抗するのはどういうタイミングか」ってものでした。
仮に、ユーモアーあふれる家庭でパートナーが襲い掛かってきたときに冗談かもって思っちゃうかもしれませんよね?
刃物を持って襲い掛かってきても、一時的に精神がおかしくなってて治療をすれば治るかもとか思っちゃうかもしれませんよね?
相手の狂気に本気で対抗できない時、でも実際に自分や子供の命が危険にさらされたとき、相手を殺す気で抵抗するのはどんなタイミングだろう...
そういうのを考えさせられるリアルさ、緊迫さがありました。

しかしながら、ストーリーは割と難解というか「どういう意味だったんだろう?」となっちゃう部分も多々ありました。
心霊現象と片付けるか、こちらが受け取り切れていないメッセージと解釈するかは悩ましいところです。
また、途中「こんだけ思わせぶりに尺を使っておいてこの人の役割は実質こんだけか」みたいなのもあったりとモヤモヤする部分はチラホラあります。
これらの小首をかしげた部分が原作の改変部分だったりすることもあるので、これは原作と合わせて楽しむとより良いかもしれません。

過度な恐怖演出がある作品ではなく、怖い幽霊(?)のシーンもなぜか笑いが出てしまうようなコミカルさ(これは監督が意識してない偶発的なものかも)もあったりするので、ホラーが苦手な人もチャレンジできるかと思います。
単純に巨大ホテルを映像として楽しむってだけでも価値がある作品だと思うのでそういうのがお好きな方はぜひ!

★★★★☆(4/5点)

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