セミナーで聞き手の顔を見ずに話することはなかなか難しい
最近、オンラインでのセミナーや研修が一気に増えた。
コロナ前からも、こういう世界は普通にあった。
呼び方は色々とあったが、いわゆるTV会議、Web会議が浸透しつつあった。オンラインセミナーで話することも一般的になりつつあった。
今、オンラインセミナーが初めての方に話しませんか?
と、お誘いすると反応は概ね2つに分かれる。
積極的な方は、やったことないけど、ぜひ。
そうでない方は、人の顔を見ないではしゃべれない。不安だし。一見ネガティブに感じる反応だ。
私がどうだったかというと、
初めてオンラインでセミナーしたのは、もう10年以上前の事。
確かに話するのはやりにくかった。
ただ、私の第一歩は、少なくともオンラインでも聴講者の顔は見えていた。
もっとも、見えていたと言っても、パソコンを通してなので、表情がつぶさに見えるわけでもないし、反応を感じることは少ない。特に、重要なポイントの笑いネタは、なかなか、難しくなる。
私は、セミナー以前に、新卒採用の会社説明会で、オンライン経験はしていた。
ピーク時は毎週、会社説明会があり、私は生で話することを実現するために、ベトナムなどからの海外からでも、TV会議システムで話をしていた。製品はあの有名だったポリコムだ。
そういう下地があっても、オンラインでセミナーするのは慣れるまで大変だった。
自社で行ってきたオンラインセミナーは、こういう形式だった。東京のセミナールームに視聴者に集まっていただく。東京会場でもスピーカーが話する。私が時々、海外や別の場所からオンラインで話するスタイルだ。
今では隔世の感があるが、私がオンラインで登場すると、参加者の何人かは、ややがっかりの反応もあった。そういうことを何回も繰り返しながら、色々な事を学んだ。
オンラインで登場する旨を事前に告知するのが当たり前に変わった。
こういう時代のオンライン体験が私の今のベースだ。
今、世の中がどうなったかであるが、コロナ禍で一気にオンライン活用が進んだ。
そして、極端な活用スタイルになった。
会場が存在しない、本当の意味でのオンラインセミナーが主流になった。
さて、この先どうなるかだが、私は、オンサイトとオンラインのハイブリッド型が人気が出ると思う。ちなみに、オンサイトは会場に人が集まってするセミナーだ。
実は、私は20年前に韓国で盛んにビジネスをしていたことがある。
韓国がインターネット活用で日本より先んじた時期があった。韓国IT系ベンチャーの動きは早かった。日本へ進出したい企業が多く、私はそれをビジネスにしようと考えた。
ブレインワークスとは別会社のベンチャー支援をする会社で、韓国企業と日本企業とのマッチングをした。ミイラ取りがミイラになるなったような話で、どうしても自社で提携したい会社が見つかり、合弁会社を作った。
名前は、リアルセミナーブレイン。
日本と韓国の合弁会社だ。
この時のテクノロジーは画期的だった。オンサイトセミナーをオンラインでリアルに視聴する技術だった。
私は、今時点で、この半年以上、オンサイトセミナーはゼロだ。
一方で、様々な課題を試す目的もあり200回近く、オンラインで話した。
視聴者の顔は、基本的に見えない。
近いうちに、コロナの状況判断して、オンサイトセミナーを再開する予定だが、とても新鮮味があるのは間違いないと思っている。
なぜなら、生の人の顔を見て長い間、話していなからだ。
・オンラインのみでのセミナー
・オンサイトのみでのセミナー
・オンサイトとオンラインの融合のセミナー
この3つ共に経験して思う事を要約してみたい。
仮に初めてセミナーでスピーカーをするケースで考える。
まずは、オンラインで試すのが今どきは良いと思う。ライブでなくてもよい。つまり、録画して自分の話する内容を聞く。
これがトレーニングには最高だ。
ライブだと責任が発生する。言い間違えも内容によっては問題となる。
その次に、オンラインとオフラインのハイブリッド型でもよいが、先にオンサイトセミナーで人の顔を見て話することを体験するのが良いと思う。
視聴者と向き合って話するのは、山のような学びがある。反応がなければ辛い。笑いが取れなければめげる。スマホを四六時中いじられたり携帯が鳴ると、気分が悪い。
セミナー参加者の質、有料無料、人数にもよる。特に、数百名超えたセミナー体験も貴重だ。あとは、ホールでのスピーカー。人間は舞台に立つと別の緊張と集中ができる。
実に、人前で話することは得られることが多い。
当然、オンラインではこれができない。
仮に、何年もオンラインのみでスピーカーをつづけたら、人前で話しできないと思う。一方で、聴衆が視界に入らない次元で別の集中力が発揮できるかもしれないが。
今度は、オンサイトセミナーのベテランがオンラインで話するときのポイントだが。
これは聴衆は見えないわけだから、自分の創造力の勝負になる。ある意味、書籍製作のようなイメージだ。いつかだれかにどこかで読んでもらいたい。読者ターゲットを明確にして本を作ることも多いが、これと似ている。どこの誰に伝えたいか。
あと、ライブですることは、必ずしもオンラインでスピーカーする選択になくても良い。
今どきは、スマホで簡単に録画できる。
こういうことを頭に入れたうえで、
ライブでする意味を考えると良いと思う。
とっておきのオンサイトと同じように、とっておきのライブだ。
ライブと言えば、昔、TVがメジャーだった時代、Liveと表示してあると、なんだかワクワクしたあの感じだ。視聴者はTVもネットも同じだと思う。
ライブに期待するものは何か?
ライブでいつでもどこでも聞ける話ではつまらない。ライブにはライブに相応しいコンテンツも必要だ。
ここだけの話がポイントだが、オンサイトのここだけのオフレコの話をとは意味が違う。
ライブは、レコーディングするのが前提だし、オンラインのライブの良さは、一般公開が基本だ。
このあたりは、また、次の機会に書こうと思う。
以上