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吠え犬サラとの出会い

勘違い飼い主

犬の事をもっとちゃんと知らないとダメだと真剣に考えるようになったのはサラと出会ったから。それまで自分は、犬の扱いに慣れている人間だと思っていた。

子供の頃から社会人になるまで、私は3頭の犬と暮らした事があった。

初めて犬と暮らしたのは小学4年生の頃で、コロンという名のシェルティーの女の子だった。とても穏やかで優しく、私にとって大切な妹であり、時に姉だった。落ち込んでいてもそっと寄り添って慰めてくれるようなところがあった。

私が犬が好きなのは子供の頃に暮らしたのがこの子だった事が大きいと思う。

グレートピレニーズのユキと、アメリカンコッカースパニエルのしんのすけとも暮らした。

子犬の頃のユキとはよく喧嘩した。飛びかかってきたユキの牙が額に刺さった事もあったが、別に怖くは無かった。

大きくなって穏やかになったユキと、とても人間くさくて可愛いしんのすけとの暮しもあって、自分は犬の事が分かっている人間だと思っていた。

社会に出てからマリンを迎えるまでの20年近くは犬を飼わなかった。

20年以上振りに犬を飼うという決断するまでは相当悩んだし、考え始めてから実際に決めるまで何年もかかった。


自分が親の立場でマリンを迎えてからもミユを迎えてからも大きな問題行動が無かったため、犬慣れしているという感覚に変化は無かった。

そしてサラを迎えて、犬を全く知らない現実を思い知らされる事となった。

紗来がうちの子になるまで

サラを迎える時、家にはすでに先住犬のマリンとミユがいた。ミユを迎えてから9ヶ月が経っていた。

ある日、よく読んでいた保護犬カフェのスタッフさんのブログで1匹の白黒パピヨンが保護された事を知った。

先住犬がパピヨンだった事もあり、3匹目を迎えるならパピヨンがいいと思っていたところに現れた白と黒の毛色を持つこの子の事が何故かとても気になった。

我が家で新しい子を迎える場合、マリンとの相性が最も重要だった。

マリンより若く、小さいメスのパピヨンで、健康な子であって欲しい、と考えていた。

4歳で2.8キロのこの女の子はそれに合っていた。その子は保護犬カフェ寺田町店でカフェデビューしていた。ミユと出会ったお店でもあった。

迎える気持ちが固まっている訳ではなかったが、コーヒー飲んで保護犬達と触れ合って帰る、それだけでも寄付に繋がるのでお店を訪れる事にした。

もちろん真凜と望結も連れて行った。 

保護犬カフェにて

保護犬カフェ寺田町店さんに行くとお目当ての白黒パピヨンちゃんが他の子達に混じってウロチョロしていた。

人懐っこい子で他のお客さんや私達のところに順番にあいさつしにまわっていた。

マリンとミユは我関せずといった感じでどの子とも接する事なくいた。何度か連れて遊びに行っていたがこれはいつもの事だった。

私たちとしては他の子と遊べるようになって欲しいと当時は考えていたが、マリンとミユは別に他の子達と遊びたいとは思ってないのだと思う。

初めて会った白黒パピヨンちゃんは、同じパピヨンでもマリン達とどこか体格が違っていた。

全体的な大きさは同じ感じだけど、手が大きく骨格がしっかりしていて、筋肉質だった。

顔はマズルが少し短く、毛は綺麗な白と黒だった。

健康面では後ろ足にパテラを持っていたがそれ以外とくに所見は見受けられなかった。

マリンとミユとは違い、この子は元飼い犬だった。前の飼い主さんが入院して飼えなくなったところを保護された子だった。

繁殖引退犬の2人と違ってより人馴れしてるのかな?とか考えていた。

マリンとミユは興味を示す様子はないが近くに来ても嫌がる感じもなかった。

その時はしばらく過ごして帰ったが、その子のことが気になってしょうがない私達は、家族会議の末、迎えようと決めた。

吠えぐせあり、というカフェからのコメントは特に気にも留めていなかった。

サラの吠え癖

サラを迎えて三姉妹になった。

元飼い犬のサラは、真凜とミユより人との距離が近かった。何かあればすっ飛んできて顔を舐めた。

遠慮なく懐に飛び込んでくる所もありマリンとミユとは少し感じが違った。

買い物に出かけようと3匹をケージに入れたとき、ビックリするくらいサラが吠えた。

マリンとミユは当たり前のようにケージで留守番が出来たが、これが当たり前でないことにこの時気づいた。

サラの声の大きさも吠えぐせを気にせざるを得ない要因のひとつだった。とにかく声が大きかった。

仕方がないので、誰かが家に残って見るように生活を変えた。

初めは散歩が下手くそだった。階段も登れずクレーチングも飛び越えられなかった。肉球が擦りむけて血が出た。

我が家は散歩が絶対なのでこちらの都合でいつもの散歩道や山道を歩いた。みるみる上達し、一番散歩が上手くなった。

その頃から他の犬への反応が気になり出した。おそらく躾が全くなっていないマリンとミユから何かを学んでガサガサが育まれていたのだろう。

そのうち手に負えなくなった。

近所で有名な吠え犬

サラの吠えぐせは近所でも知られる所となっていた。狂ったように吠えまくるサラを見て、当たり前だけど露骨に嫌な顔をする人もいた。

なんとか改善したいと思い、ネットやYouTubeで調べてみた。

興奮するサラの鼻先にジャーキーなどのオヤツを持っていって気を引こうとした。興奮する犬には全く意味がなかった。

パチンコ玉の入ったガチャ缶や、圧縮空気の入ったペットコレクターも試したがダメだった。

ハーネスだったところを首輪に変えた。これは少し変化を感じた。しかしギャン吠えしている事に変わりはなかった。

どうしたら治るのか分からなくなり、叱るというより怒ってしまったことも何度となくあった。怒鳴ったところでサラは鳴き止まなかった。

自分では無理だと思った。
本当にサラが小型犬でよかった。
大型犬がこんな風にぶっ込んでいたらヤバかった。

専門家に相談しようと色々調べた。

そして今お世話になっている先生に見てもらうことになった。

正直、先生にとってサラはとても簡単な犬だった。30秒も要らないんじゃないかというくらいに。ハンドリングする人次第だった。

その日から約1年、私もサラも色々教わり以前と違いコミュニケーションが取れるようになってきた。

私達に甘やかしすぎるところがあるので一進一退はあるが、それでもサラはよく頑張っている。

留守番だってちゃんと出来ます。

サラはとても賢いんです。

あとがき

私が犬について真剣に知りたいと思うきっかけになった犬サラ。2019年10月1日、マリンやミユと同じ保護犬カフェで私達はサラに出会いました。

今回の記事は、それから2年後のうちの子記念日に、私がインスタグラムに投稿した文章をnote用に編集し直したものです。

インスタにしては文章長すぎだろ、というツッコミを、自分で自分に贈ります。

おわり

紗来とみゆ

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