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保護犬まりんとの出会い

保護犬を迎えたいけどハードルが高そうと悩んでいる皆様へ。我が家のケースをエッセイ風に書いてみました。心のハードルが下がり1匹でも多くの犬が良い里親さんと出会えますように。

まりんを我が家に迎えたのは、2018年5月12日のこと。私が社会人になって初めて迎えた犬で、初めて迎えた保護犬です。

当時を思い出しながら、まりんとの出会いを書いてみましたので、良かったら読んで下さい。
何のドラマもない平凡なストーリーですが…

犬を飼いたい

犬を飼いたいといい出したのは娘だった。
直接私にいいに来るわけではなく、母親にそう話していた様だ。誕生日が来たらパパにちゃんと言ってみる、と本人は言っているらしい。

これまでも何度となく母親伝いにそういう話は聞いたことがあったが、本人が直接言いに来たことはなかった。私も聞こえないフリをしていた。

その頃、私自身犬を迎えるのは消極的だった。一度迎えたら必ず別れが来る、若い頃の経験から簡単に飼おうとは思えなかった。

一方で、私自身のその考えのせいで、私が子供の頃親に経験させてもらった犬を飼うという経験を、私の娘は出来ないでいた。それでいいのか?という思いも頭の中にはあった。

そんなある日、翌日から行くファミリーキャンプの準備で、ホームセンターに来ていた。娘は一緒には来ていなかったが、何となくペットコーナーに立ち寄った。

ガラスの向こう側に沢山の子犬がいる中、少し大きくなった白のポメラニアンが、フロアにある柵の中でキャピキャピしていた。近くに行くと寄ってきて、構え構えと後ろ足でピョンピョンしていた。目がクリクリのとてもかわいい子だった。

以前から娘はよく、ホームセンターに来ては子犬を抱っこさせてもらっていた。そんな時私はフラフラとその場を離れて、熱帯魚などの他の生き物を見ていた。犬と触れ合う事を避けていた。でもその時は何となく店員さんにお願いして、その子を抱っこさせてもらった。

フワフワで暖かく懐かしい子犬の感触で、昔持っていた犬が大好きという感覚があっという間に甦ってきた。自分がこれまで子犬を抱っこする事を避けてきた理由はここにあった。こういう感情になるに決まっていた。

保護犬を迎えるという選択肢

キャンプに行っても、珍しく家族で犬の話なんかをした。家に帰ってからまたホームセンターに行ったりしたが、その子は家族が決まったのかもういなかった。

これまで犬を飼う話から逃げていたが、今回は気持ちがグラグラしていた。何故そんな気持ちになったのか、何で子犬を抱っこさせて貰おうと思ったのかはよく分からないが、気持ちが犬を飼う方に傾いていた。

何年も前のある日、仕事で会社の同僚と外回りしている時、犬の話をした事を思い出した。何故犬の話をしたかは思い出せない。同僚の家には奥さんが結婚前から飼っていた雑種犬がいた。

話の中で強烈に覚えているシーンがある。

『でもウチはそういう迎え方はしないかなぁ…』

犬を迎えるのであれば、ペットショップで子犬を買うのではなく、今飼っている子と同じように、里親になるかな…、という事だった。

話を聞いた時同僚が凄く立派に思えた事を、何故か急に思い出した。

里親になるという選択肢もあるんだな、と頭の中で考えていた。

保護犬カフェに行ってみた

娘の誕生日はまだ先だったが、何となく親の方が前のめりになっていた。保護犬であれば迎えてみたいなと思うようになっていた。
とは言え、保護犬ってどう迎えたらいいのかはよく知らなかった。

大阪鶴橋に家族で遊びに行った。メインの目的はキムチを買うことたったが、娘(自分)の為のサプライズプランを用意していた。近くに『保護犬カフェ』なるものがある事を突き止めていた。娘は犬と触れ合う機会をとても喜ぶ。連れて行ったら喜ぶんじゃないかと思った。

もちろん自分にとっても『保護犬』がいる場所に行くのは初めてだった。気軽に入れるところなのだろうかと心配していた。ちょっとコーヒーでも飲みたいと、目的の場所を目指した。目的のカフェは、外から中の様子が見えて、私達素人でも入りやすい雰囲気だった。

たまたま空いている時間に行ったようで、すぐにお店に入れた。カフェの中には、保護犬たちが触れ合いスペースで自由にウロチョロしていた。

私の中の保護犬は、体の弱い子や人間不信の子、というイメージだった。実際行ってみると、確かに障害を持っている子や年老いた子もいたが、若い犬も沢山いた。カフェスペースに出ている子以外にも、バックヤードに何匹もの子がケージの中にいた。

保護犬カフェは、大阪に何箇所か店があるが、獣医さんのいる鶴橋のカフェに保護された犬たちが一旦来るようだった。意外とチワワや、トイプーといった犬種が沢山いた。保護犬といえば雑種犬のイメージがあったが、このカフェは雑種犬は少なかった。


しばらく犬と触れ合い、どんな子達がいるか見てまわった。迎える手順を教わったりもした。犬と触れ合う事メインのお客さんや家族になる子を探しにきた人、色んなお客さんがいる感じだった。

バックヤードで、迎える為のお店の審査を受けている家族もいた。出会った子との新生活に向けて、期待に包まれている様な雰囲気があった。羨ましいのか何なのかよく分からない感情を持ちながらその日は帰った。

スタッフブログで情報集め

保護犬カフェに行った日から、カフェの情報を集めるようになった。とあるスタッフさんのブログが、更新頻度も高く、情報も早かった。

私の中でコーギーや、ミニチュアダックスがいたら良いなと思っていた。コーギーはお店に行く直前までいたようだが、すぐに里親が決まったようだった。ある日、気になるミニチュアダックスの子が保護された情報を見た。会いに行ってみようと思った。

週末、再びカフェを訪れた。保護されたミニチュアダックスはいますか?と聞いたが、すでに家族が決まっていた。若く健康な子はあっという間に里親が決まる事を知った。

里親さんの中には、なかなか家族が見つからない人間不信の子や問題行動や障害を持っている子を、優先的に迎える方もおられるようだったが、私は実力的にその子たちを幸せにできるレベルに無かった。何より娘は犬との生活を夢見ていた。若くて健康な子を迎えたかった。

何となくその頃から、若くて健康な穏やかそうな小型犬を探していた。娘の為にも優しく寄り添ってくれるような穏やかな犬を迎えたかった。

ある日の夕方、一頭のパピヨンが、いつものスタッフさんのブログにアップされているのを見た。『エレン』という名で4歳の女の子だった。

ブログを見た時私は家で一人だったが、誰にも相談する事なく、即カフェに電話した。保護されたパピヨンに会わせて欲しい。カフェでは基本、会いたいとの連絡があったとしても、その子のことを拘束できないシステムだった。早く会いに行く必要があった。

私は翌日仕事だった為、明日の朝一番で、その子に会いに行って欲しいと、奥さんに頼んだ。何故かは分からないが、誰よりも先に会わないといけない気がした。

つづく

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