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サッカーU−23/日本×マリを振返る/国際強化試合/24.03.22


1.試合前

1.1前書き

24年7月24日に開催されるパリ五輪出場を目指して、24年4月15日にAFC U−23アジアカップ2024に出場するU−23日本代表、24年3月22日に開催された今回の強化試合はU−23アジアカップに向けてチームの調整や選手の状態を確認する試合だったと思います。
東京五輪では開催国枠のおかげで無条件で出場出来ましたが、パリ五輪は2大会8年ぶりに出場権を得るために大会で出場枠を勝ち取る必要があります。
因みにパリ五輪出場条件は以下の通りになります。

  • アジアの出場枠は3.5枠

  • AFC U−23アジアカップ2024で3位以内に入ると出場決定する

  • 4位は[アジア大陸4位国]対[アフリカ大陸代表ギニア]の大陸間プレーオフで0.5枠をかけ争う、勝利した国が出場権を獲得する

アジアの枠は3.5枠でW杯の枠よりも少なく難しい条件です。
五輪の男子サッカー競技に出場できるのは16カ国で、どの大陸も2から3枠しかなく出場権を獲得するのは大変でしょう。
しかも、負ければ終わりのカップ戦トーナメントで一発勝負になります。
W杯予選みたいにグループリーグでホーム&アウェー方式の試合を長期間にわたり開催するのであれば、層の厚さや総合力のある強豪国が有利だと思いますが、トーナメントは2週間程度の短期間で開催されるのでその期間調子が良く勢いに乗った国が有利です。
フル代表(年齢制限のない日本代表、またはA代表とも呼ぶ)が1月にアジアカップで有力な優勝候補と言われながら、選手の状態が悪くベスト8で大会を終えたことで分かるようにトーナメントは実力、調子の良さ、勢いが揃ったバランスの良いチームが勝ち残るものだと思います。
8年前リオ五輪のときから採用された出場条件ですが以前はグループリーグでホーム&アウェー方式の予選を行っていました。
恐らく日本にとっては以前のほうが出場枠を獲得しやすかったと思いますが、試合がFIFAの取扱いでは無くIOC(国際オリンピック委員会)の取扱いで代表チームがクラブチームから選手を招集するための強制力が無くクラブ側が拒否出来るため、恐らくオリンピック予選のリーグ戦でホーム&アウェー方式の試合に毎回選手を招集するのを苦労したりクラブ側から不満が出たりしたため、短期間でしかも1度の招集で済むトーナメント方式に変更されたのだと思います。
日本にとっては難しい条件に変更されたと思いますが条件はどの国にとっても同じですし、どんな条件でも出場権を取るしかありません。
私は今回のU−23日本代表の試合をあまり見る機会が無かったので、何名かの有望な選手を知っているのと海外でプレーする選手が結構いることぐらいしか情報が無く、正直な印象で言えば東京五輪のメンバーと比較すると選手層や能力に差がありパリ五輪の出場権を獲得出来るのか不安があります。
メディアでは数名の選手に良い評価をするものが見られますが、サッカーはチームスポーツなので個の力で点を取ることは出来ますが取り続けるのは難しいですし、守備はチームで守る必要があるのでどこかに穴があれば簡単に崩れ機能しなくなるため、個々の力を繋ぎ連携させグループで守る必要があります。
メディアで評価されている選手が数名いるだけではパリ五輪世代にどれだけの総合力があるのかはまだ未知数でなんとも言えないところだと思います。
そして、海外のクラブが代表チームの招集に了承してくれるのか不透明で不安を感じますし、もしクラブが了承してくれなければ大事な大会にレギュラークラスがいないことも考えられるので本当に出場権を獲得できるのか難しいところだと思います。
では、マリとの強化試合を振返りU−23日本代表がどのくらい力があるのか考えたいと思います。


1.2先発情報


U−23日本代表 先発メンバー 4−1−2−3
進行方向→
    バングーナ       平河
    西尾      植中
野澤      川崎      藤尾
    高井      山本
    半田          山田


控え
GK藤田(和) 小久保
DF関根 馬場 大畑 内野 鈴木
MF藤田(ジョ) 佐藤 田中 松木 小見
FW細谷 荒木 染野


U−23マリ代表 先発メンバー 4−2−3−1
進行方向←
     24番      17番
         12番   5 番
  9 番  10番           1 番
          8 番   4 番
      7 番      15番


控え
GK16番
DF2番
MF6番 13番 18番 19番
FW11番 14番 20番 21番


2.前半

2.1前半 序盤

日本ボールでキックオフ、開始1分弱に日本から見て右サイド際マリ陣内のピッチ約半分の場所で、右FW山田が遅れてチャージしたマリの選手にファウルを受けFK(フリーキック)を獲得、キッカーは山田でPA(ペナルティエリア)ラインの手前にマリの選手が並びラインを形成、日本はファーサイドに5人、ニアサイドに2人ポジションをとっていました。
山田が左足でゴール前へ蹴るとニアで左MF植中が頭ですらし軌道が少し変化、マリの選手がPA内で軌道の変化したボールに足を出して当てるとボールが味方にぶつかりこぼれました。
こぼれ球はPAにファーから侵入した左FW平河の前へ転がり、左足でトラップしワンステップで右足のシュートを素早く撃つと、枠の右上に決まり日本が開始から約1分50秒で先制点を奪いました。
山田のクロスとニアにいた植中のすらしが合ったことで軌道が変わりマリの選手の反応が遅れ、飛んできたボールをクリアする余裕をなくさせ足に当てることしか出来なくしたのが良かったと思います。
また植中がマリの選手の前で先にクロスをすらすことでマリの選手はそれを見て判断に迷うため、次の動きをすることが難しく動きを止める効果があったはずです。
そして平河は恐らく左足で良いトラップが出来たので理想的な位置にボールを止めることが出来、その影響で右足でシュートを撃つまでの一連の動作が早かったです。
結果平河のプレーがマリの選手達にブロックやセービングをさせる時間を与えずにゴールできたのだと思います。
こぼれ球に若干運の要素もありますが精度の高いプレーで決定機をものにした良い得点でした。
試合はマリのキックオフで再開、日本は4−3−3(または4−1−4−1)の並びで前線の選手が前からプレスに行きボールを奪う作戦のようで、前向きな攻めの守備で相手のボールホルダーに圧力をかけ相手にボールを持つ余裕や時間を与えないようにしていました。
攻撃はサイド攻撃が目立ちますが単純にサイドから繋ぐだけだと途中で行き詰りが見られ、サイドと中央の間と相手の中盤と最終ラインの間で上手く縦パスを受けることが出来ればチャンスになりそうでした。
しかし、マリの対応も早く危ない場面はPAに侵入する前にファウルで止めてくるため、得点の場面以外はシュートまでいくのに苦労している感じがしました。
しかし、ファウル等でFKやCK(コーナーキック)を蹴る機会が何度かあり選手達は予め用意していたのかそれともその場で考えたのか分かりませんが、セットプレーで必ず変化をつけるような動きを見せ得点の場面以外にも惜しい場面がありました。
マリは4−2−3−1の並びで日本と同じく前線の選手が前からプレスしてボールを奪う攻めの守備をしてきました。
身体能力が高いため距離を詰めるのが早く2回くらい最終ラインから繋ぐボールをカットされ、ショートカウンターをくらうとシュートまでいかれポストに弾かれるなど失点してもおかしくない場面を作られました。
攻撃ではショートカウンター以外にもサイド攻撃を見せる場面があり、個々の技術と身体能力が共に高いので複雑な連携こそ見せませんが、ダイナミックな展開から強いクロスやパス、シュートを放ってシンプルに攻められました。
ショートカウンターで惜しい場面があった他にも良い攻撃が出来ていたので、日本よりも得点の取れそうな雰囲気がありました。


2.2前半 中盤

両チーム前線からプレスして最終ラインはラインを高く設定して保っていたのでピッチの3分の1程度に20人が密集するコンパクトな状態で試合は進みました。
日本はサイドから攻めますがマリがボールのあるサイドに人数をかけて守るため行き場がなくなり奪われたり、密集を避けるため最終ラインから対角線のロングボールを逆サイドに蹴りますが上手く繋がりません。
ビルドアップもプレスの圧力が厳しいため前に押し上げる事が出来ず奪われるようになり攻撃の形が作り出せなくなりました。
守備は相手が前線からのプレスに慣れてきたのか徐々に圧力をかけられなくなり自陣に押し込まれると、ブロックを敷いて守りますがラインを下げさせられる状況になり失点しそうな雰囲気が出てきました。
マリはサイドから簡単に繋いだり中央でトップに縦パスを入れて、ポストプレイからサイドに展開する等攻撃にリズムがで始めました。
日本の前線からのプレスや密集した中盤を避けるように最終ラインから逆サイドの前線に対角線のロングボールを入れると、ピッチを広く使い強く速いロングボールの蹴れるマリの場合はボールが繋がり攻め込むことが出来るため、日本のラインを下げさせ前線から最終ラインまでの距離を間延びさせると、ビルドアップで押し上げ日本陣内に押し込み攻撃する時間を増やしていきました。
守備では攻撃で日本陣内に押し込むことが出来たので日本のゴール前からプレスをして、日本最終ラインにボールを持つ余裕と時間を与えず良い縦パスを出せなくしました。
日本が縦パスを出したとしてもマリの中盤と最終ラインが受け手から奪ったりパスカットするため日本にビルドアップをさせませんでした。
攻守に体の強さや走るスピードで上をいくマリは0−1で負けていましたが徐々にペースを掴み主導権を握り始めました。
このまま状況が変わらなければマリが得点を取る可能性は高いでしょう。


2.3前半 終盤

1−0で日本リードの状況ですが試合はマリが主導権を握り日本劣勢の状態がハッキリと見え始めると、33分にマリが同点のゴールを奪います。
日本が最終ラインからビルドアップ出来ず縦パスを蹴るのを躊躇し横パスをしていると、マリが前線からのプレスで圧力をかけてきたので日本はGK野澤にバックパスを出して仕切り直そうとします。
日本は最終ラインを下げるしかなく後退していると野澤がバイタルエリア中央に下がってきたアンカー(ボランチ)のMF川崎にバックパスをワンタッチパスで繋ぎます。
川崎は左サイドに開いていた左CB西尾に下がりながらワンタッチでパスを出すと、そのパスが弱くなりマリの右MFにカットされてしまいました。
日本のバイタルエリア左側でパスカットしたマリの右MFは、日本から見てPA左側に縦にドリブルして侵入すると西尾が戻ってきて1対1になりました。
マリの右MFがPA中央にパスを出すと西尾の足に当たり浮き球が中央にいた川崎とマリのMF10番に向かって飛んでいきました。
浮き球をマリの10番が胸トラップして左足でボレーシュートを撃つと、川崎が足を出しブロックを試みますが当てることは出来ずに日本から見てゴール左側に決まりました。
マリの10番はシュートのときボールを上手く蹴ることが出来なかったのでゴール手前でバウンドする弱いシュートになりました。
ですが逆にそれが野澤のタイミングをずらすことに繋がり野澤は一歩も動くことは出来ませんでした。
マリの前線からのプレスに怖がり縦パスを出せなかった日本の最終ラインが、ボールを持つ余裕もなく野澤にバックパスをだして野澤、川崎、西尾とワンタッチパスでボールを繋ごうとして川崎のパスが弱くなり奪われました。
直接的な原因は川崎の弱くなったパスですが本質的にはチームで相手を恐れたことでパスの出し手は縦パスを出せなくなり、受け手は積極的にパスを受けようとしなかったことが野澤へのバックパスに繋がり、マリの選手がボールホルダーにプレッシャーをかけ奪いに来るのを恐れたことで余裕が無くなり、早くボールを手放そうとしてワンタッチパスが続いた結果川崎のパスミスに繋がったと思います。
このままチームで戦う姿勢を見せなければ状況は変わらず一方的にやられる可能性すらあるため、日本には何とかもがき抗って欲しい展開になってきたと思います。
日本のキックオフから試合は再開、日本は失点の影響なのか大人しくなった雰囲気があり攻撃の解決策が見つからないまま試合を進めている感じでした。
前線の選手達がマリ最終ラインの裏を狙い日本最終ラインがロングボールを蹴れば、マリの前線から最終ラインまでの距離感を間延びさせることができ中盤にスペースが生まれるかもしれません。
そうすれば空いたスペースで縦パスを受けやすくなるのでビルドアップやパスを繋ぐ攻撃がしやすくなります。
また、前日のフル代表のように縦パスを受け手がワンタッチで近くの味方に繋げれば、相手のプレッシャーやチャージを回避してゴールまで行ける可能性があります。
日本はロングボールで裏を狙う攻撃を1、2回見せることはありましたがハッキリと狙いを持って何度も仕掛けることはありませんでした。
日本は自分たちの攻撃が通用せず弱気になっている感じで何をしたら良いのか明確になっておらずプレーに迷いが見えました。
マリはビルドアップでボランチの1人が下がりCBの間に吸収されると、3バックでパスを回し両SBが少し前にポジションをとりました。
日本が4−4−2でブロックを敷き前線の2枚でマリの3バックにプレスをかけてきても簡単に回避しました。
マリは日本のプレスを回避するとショートパスを繋いだりロングボールを前線に入れて攻撃し、日本陣内に押し込む形が何度も見られるようになりました。
日本は押し込まれクリアする場面が目立ちましたが、たまにロングボールが前線の選手に繋がりマリ陣内に押し込むこともありました。
しかし、バイタルエリアでパスを回すばかりで崩すことが出来ず、PAに侵入したりミドルやロングのシュートを撃つこともなく、結局相手の圧力に押されボールを最終ラインに下げていました。
終盤は終始マリ優勢のまま時間が進み前半が終了しました。


2.4前半 感想

日本がセットプレーから先制点を取り良いスタートを切りましたが、その後は流れの中から相手のPAに侵入してシュートを撃つところまで行くことはほぼ無く、流れの中で良い攻撃を見せることはありませんでした。
日本の攻撃がマリに通用せず日本の選手達は徐々に弱気になっている感じすらありました。
そもそも対峙する相手との1対1で競り合う姿があまり見られず味方にパスをして逃げているように感じました。
マリは体も強くスピードもある為1対1で戦うと不利なのは分かりますが、それでも相手に向かっていく姿勢を見せてほしかったと思います。
日本はチームプレーが得意なのは分かりますが1対1で相手に立ち向かわなければチーム戦術も効果を発揮するのは難しいはずです。
まずは対峙する相手との1対1で戦う姿勢を後半は見せて状況を変えてほしいと思います。
選手を変えるなら相手の最終ライン裏に走り込む足の早い前線の選手が入ると、前線からのプレスでも足の早さが役立つのでいいと思います。
他にはマリの選手と競り合える体の強い前線の選手がいれば前線でタメが作れるかもしれません。


3.後半

3.1後半 序盤

日本 選手交代

  1. 右FW山田→FW細谷

  2. 左MF植中→FW染野

後半開始前に日本は選手を2人交代しました。
前半の劣勢を選手を変えることで改善したかったのだと思います。
マリのキックオフで後半開始


U−23日本代表 選手交代 4−1−2−3
進行方向→
    バングーナ       平河
    西尾     IN染野
野澤      山本     IN細谷
    高井      川崎
    半田          藤尾


日本は左MF植中のポジションに染野がそのまま入り、山本と川崎がポジションを入れ替え右FW山田のポジションに藤尾が移動して中央に山田と代わった細谷が入りました。
並び(フォーメーション)の変更はなく攻撃のときは4−3−3で、守備のときは染野が前に出て細谷と横並びになり藤尾と平河が少し下がった形の4−4−2でブロックを敷いて守る形になります。
マリに変更はありませんでした。
日本は後半が始まってすぐに選手交代の効果を見せました。
マリが最終ラインでボールを回しビルドアップするとブロックを作り守る日本は前線からプレスし、細谷がボールホルダーにプレッシャーをかけて奪います。
そこからショートパスを繋ぎショートカウンターでゴール前まで行きましたがシュートは撃てませんでした。
シュートまでいけませんでしたが久しぶりに日本はチャンスを作ることができ、それが自信になったのかその後すぐに右サイドで藤尾がドリブル突破を見せる等マリのゴール前まで押し込むことが出来るようになってきました。
前半と比較すると日本に積極的なプレーが見られるようになりましたが、直後にマリがセットプレー後の流れから52分に逆転のゴールを奪いました。
日本から見て左のコーナーからマリの12番がニアにクロスを入れると日本の選手が左サイドに跳ね返しますが12番にまたわたります。
12番はまたニアにクロスを入れると日本の選手がまた左サイドに跳ね返しました。
そのボールを今度はマリの17番が拾いクロスを蹴ろうとしたときに平河が距離を詰めて奪いますが、ボールはこぼれて近くにいた12番にわたります。
平河が12番からボールを奪おうとすると12番が平河を軽く抜き去りバイタルエリア左側にいたマリの10番へショートパスを出しました。
10番はトラップして左足ですぐにミドルシュートを撃つとゴールの中央に飛びました。
GK野澤のほぼ正面に向かって飛んできましたが野澤の手前でバウンドしたので取りにくかったのか、野澤はキャッチできず弾いてしまいます。
するとゴール前でいち早く反応したマリの4番が頭で押し込みマリが逆転のゴールを奪いました。
野澤のキャッチミスがそのまま失点に繋がる結果になってしまいました。
一見普通のシュートのように見えましたがリプレイで見ると無回転シュートだったため、野澤の手前で変化しシュートが落ちてバウンドしたため野澤は取りにくかったのでしょう。
他にもゴール前にいた選手達がブラインドになりシュートが見えにくかったのかもしれません。
野澤はミスをしたので責任を感じたと思いますが他にもシュートを撃った10番への寄せの甘さや、野澤が弾いた後にマリの選手より早く反応してボールをクリアする必要があったのにボールウォッチャーになっていたことなど、細かいことを言えば失点の理由はたくさんあると思います。
日本の流れが良くなりかけたところでのマリのゴールだったため手痛い失点になってしまいました。
日本のキックオフで再開、マリは得点後勢いに乗りポストプレイ、サイド攻撃、細かいパスを繋ぐ攻めや手薄な逆サイドへ対角線のロングボールを蹴るなど10番を中心に攻撃のリズム、テンポが更に良くなり日本はまた前半のように自陣ゴール前に押し込まれます。
マリの勢いに押される日本はパスが繋がりサイド攻撃ができていたときに比べるとまた繋がりが悪くなりました。
失点の影響もあると思いますが、マリの選手がリードしたことで動きが良くなったように感じました。
それでも日本はマリ陣内に押し込みバングーナガンデが中央付近からのロングシュートをゴールの左上角付近に撃つ場面や、ゴール前で細谷がボールを受けると反転してシュートを撃つなど、いつくか良いプレーを見せることもありました。
58分マリ 選手交代

  1. DF5番→MF18番

  2. DF15番→DF2番

  3. FW24番→MF13番


U−23マリ代表 選手交代 4−2−3−1
進行方向←
    IN13番      17番
         12番 IN18番
  9 番  10番           1 番
          8 番   4 番
      7 番     IN 2 番


マリは選手を1度に3人交代してきました。
ポジションは交代した選手のポジションにそのまま入りました。


3.2後半 中盤

63分日本 選手交代

  1. 左FW平河→MF小見

  2. 左SBバングーナガンデ→DF内野


U−23日本代表 選手交代 4−1−2−3
進行方向→
   IN内野         IN小見
    西尾      染野
野澤      山本      細谷
    高井      川崎
    半田          藤尾


日本は左FW平河に変えて小見、左SBバングーナガンデに変えて内野をポジションや並びを変えずに投入しました。
監督は左サイドの攻守や連携が良くないと考えたのか左サイドの2人を一気に変えてきました。
日本はビルドアップのときに山本がCBの間にポジションをとり両SBが前に上がり3−4−3でパスを繋ぎ始めました。
マリの前線からのプレスを3バックでパス回しすることで慌てることが無くなり、ビルドアップから全体を押し上げられるようになりました。
65分マリ 選手交代

  1. FW9番→FW20番

  2. MF10番→MF6番


U−23マリ代表 選手交代 4−2−3−1
進行方向←
     13番      17番
        IN 6 番  18番
IN20番   8 番           1 番
         12番   4 番
      7 番       2 番


マリは10番のポジションに8番が入り8番のポジションに12番、12番のポジションに10番と交代した6番が入り、20番は交代した9番のポジションにそのまま入りました。
マリはこの試合攻撃の中心で長短のパスが良く2得点に絡んだ10番を下げました。
10番は両チーム通じて1番良いプレーをしていたと思います。
日本はビルドアップ出来るようになってからマリ陣内に押し込む回数を増やし、マリのゴール前まで攻め込めるようになりましたが、
サイドからの攻撃が多いためかクロスを入れるところまでは行きますがシュートを撃つ機会が少なく、攻撃のリズムが一定でテンポに変化がないことが理由なのかゴール前の局面を崩すことが出来ません。
日本がビルドアップから攻撃出来るようになりマリに一方的に攻められることが無くなったので徐々に試合が落ち着いてきた感じがしました。
73分マリ 選手交代

  1. FW7番→FW14番


U−23マリ代表 選手交代 4−2−3−1
進行方向←
     20番      17番
          6 番  18番
IN14番   8 番           1 番
         12番   4 番
     13番       2 番


マリは7番のポジションに13番が入り13番のポジションに20番、20番のポジションに7番と交代して入った14番が入りました。
マリの攻撃は相変わらず安定した感じでシンプルにショートパスを繋ぎ確実に日本のゴール前まで行きますが、シュートとその手前のプレーで精度があがらず追加点をなかなか奪えません。
日本は右サイドで良い縦パスが入るとそれをワンタッチで繋ぎ相手のチャージを回避します。
そして右サイドからゴール前にグラウンダーのパスを出すと中央で細谷が最終ラインの裏にワンタッチでパスを出します。
すると、川崎が走り込んで裏に抜けシュートを撃ちました。
シュートは枠を外れましたが流れの中での攻撃としてはこの試合の日本にとって1番良い攻撃でした。


3.3後半 終盤

75分日本 選手交代

  1. 右FW藤尾→MF佐藤

  2. 右MF川崎→MF藤田(ジョ)


U−23日本代表 選手交代 4−1−2−3
進行方向→
    内野         IN佐藤
    西尾      染野
野澤     IN藤田(ジョ)   細谷
    高井      山本
    半田          小見


日本は左MF川崎のポジションに山本が入り山本がいたアンカーポジションに川崎と代わった藤田譲瑠チマ(藤田ジョエルチマ)(以下、藤田(ジョ)表記)が入りました。
そして左FW藤尾のポジションに小見が入り小見のいた右FWに藤尾と代わった佐藤が入りました。
日本はビルドアップから縦パスを中盤、前線に入れますが、その後のパスコースがマリに限定されているためなかなか前に進めません。
受け手の選手がもう少しボールを貰える位置に動きパスコースを複数作る必要があるのかなと思いました。
それでも藤田(ジョ)が中央で周りにパスを出し受けるを繰り返すことで、チームにリズムが生まれてきた感じがありましたし、マリのゴール前で相手に奪われても藤田(ジョ)が縦パスをカットしたり早く相手の攻撃の芽を摘むことで、日本の流れになりそうな雰囲気がありました。
コーナーキックのクロスがマリの選手に跳ね返されこぼれ球がバイタルエリア中央にいた藤田(ジョ)の前に転がり、藤田(ジョ)はこぼれ球をダイレクトでシュートを撃つとマリの選手にブロックされてしまい点を取ることは出来ませんでしたが、徐々に藤田(ジョ)が存在感を見せ彼を起点や中心とした攻撃が展開されることで期待感が出てきました。
しかし、またしても日本がいい流れになりかけのときにマリが89分追加点を奪います。
日本がビルドアップから縦パスを入れようとしているとマリは最終ラインを5バックにして、日本の3−4−3からのビルドアップに対応してきました。
両チームの並びが同じような感じになり全てのポジションで1対1の状況が作られるため、守備側のマリは目の前の対峙する選手に集中しやすくなり相手に突破されなければ失点のリスクが低い守り方をしてきました。
日本は縦パスを入れるのを躊躇しているとマリがボールホルダーにプレッシャーをかけ前線からプレスをしたので、日本の最終ラインは仕切り直そうと野澤にバックパスをしました。
マリのプレスが早く距離をすぐに詰められるため野澤は西尾にバックパスをワンタッチで繋ぎます。
西尾は前にパスを出そうとしますが受け手を探しているとすぐにマリの選手が距離を詰めてきたので、野澤にバックパスで戻すとマリのプレスを嫌った野澤は右サイドにダイレクトで蹴りました。
野澤の蹴ったボールは直接右のサイドラインを割りマリの選手がすぐに前にいた左MF13番にスローインでボールをわたすと、13番は高井とポジションチェンジしていた西尾をドリブルで抜いて、日本から見てPAの右サイドから侵入しゴール前に走り込んできたフリーの8番にマイナスのパスを出しました。
8番はダイレクトシュートを日本から見てゴールの右側に撃ち追加点を決めました。
1点目の失点と同じように最終ラインのビルドアップから前に縦パスの出せそうなところが見つけられず躊躇し、マリのプレスに追い詰められてGKまでボールを下げる展開からマリにすぐリスタートされドリブルで抜かれると、走り込んだ8番を誰も捕まえておらずフリーでシュートを撃たれあっさり失点しました。
やられ方は1点目の失点とほぼ同じなのでやはりビルドアップで最終ラインが前にパスを出せなくなったときの対応が良くなかったです。
最終ラインでパスを出すのを迷えば1人がボールを持つ時間が長くなり相手に狙われやすくなります。
なので出し手が勇気を持って前にパスを出すか受け手がボールを受けれるところに動き直し常にボールを回し動かしていなければ駄目だと思います。
ボールを動かし続ければ相手のプレスに捕まる可能性は低くなると思いますし、攻撃のチャンスも出てくるはずです。
他には西尾が13番にドリブルで抜かれたときの対応が軽い感じで良くありませんでした。
CBとしてはあっさり抜かれすぎて今後が不安になるプレーだと思います。
日本のキックオフで試合は再開されますがアディショナルタイムになり、その後は得点の欲しい日本の攻撃をマリがしっかりと抑えて試合は終わりました。


3.4後半 感想

後半は前半に比べて日本の選手達が相手と戦う姿勢が見えた気がしましたが、失点後はマリが日本を完全に上回り日本は攻守ともに手も足も出ないといった感じだったと思います。
まず1対1の局面で技術と身体能力両方で負けていたと感じましたし、チームとしても所々でマリの監督の指示なのか選手が自ら動いたのか分かりませんが、状況に合わせポジションを変えて戦うマリの臨機応変な感じが目立っていたと思います。
アフリカの大会で3位になりパリ五輪出場権を獲得しているマリですが、3位という順位に惑わされますがしっかりとパリ五輪出場権を得ているチームとして強さを見せてくれたと思いました。
プレーやチームの連携、戦術もアフリカのチームのイメージとは違い洗練されていたと思います。
日本は交代した選手の中に今後期待が持てる選手が何名かいましたが、チームとしては連携がそこまで取れている感じがなく自発的に動いて流れを変えれる選手も殆ど見られなかったので残念でした。
セットプレーでは工夫が見られますが流れの中では攻撃にバリエーションがたくさんある感じがしませんでしたし、シュートを撃つ意識も低かったように感じるので日本が負けるときの典型的なパターンに当てはまる気がします。
そして日本の流れが良くなりそうなときに失点を繰り返していたので、試合の進め方や攻撃しているときのリスク管理などは気をつけないと同じことをまた繰り返す可能性を感じました。
日本の良いところも何か上げたいところですが残念ながら絞り出そうとしても何も出てこないのでこのへんで終わります。


4.試合後

4.1試合の総評

試合を通して感じたことはマリの選手にパワーで負ける日本の選手達は、相手をかわそうとするプレーが目立ちそれが私には逃げているように感じました。
結果的に見ればそれが攻撃のとき前線でタメを作ることができずに、ワンタッチパスで繋いで途中で行き詰まることになったと思いますし、セットプレーからの得点は比較的競り合う状況にならなかったので得点できましたが、流れの中ではサイド攻撃でサイドからクロスを上げる場面で競り合う前にクロスを上げようとしたため、サイドライン際からのクロスが多くなりゴール前までの距離が長いため相手に跳ね返されたり、GKにキャッチされることが多かったと思いますので、これがもしクロスを上げる前に1対1の勝負を仕掛けPA内に近づきクロスを上げていたらもっと違う展開になったかもしれません。
要するに気持ちの面で相手に立ち向かう意識が低かったために、要所でより得点につながるプレーが出来ず何となく攻めてはいるけど相手にとっては怖さのないプレーに繋がったのだと思います。
失点に繋がったビルドアップも相手を恐れる気持ちが前にパスを出すのを躊躇させたと思いますし、受け手が積極的にボールを受けに動かなかったことに影響したと思います。
チームとして作戦の良し悪し以前に選手の精神面に大きな問題があると感じます。
これではU−23アジアカップで結果を出せるのか不安しかありません。
今回のマリのように強いチームがアジアにいるとは思えませんが、それでも中東のチームはスキを突くのが上手いですし韓国は伝統的に闘志むき出しで対戦相手に向かっていく印象があります。
日本は大会前に戦う姿勢や意識を持ち試合に挑まなければ、パリ五輪出場権を得るのは難しいことを認識する必要があるでしょう。
私としては今回出場権が獲得出来る可能性はだいぶ低いと思いますが、どうか私の予想をU−23日本代表が外してほしいと思います。
マリ戦がたまたま良くなかったのだと思わせるような試合をしてくれることを期待して待ちたいと思います。


4.2後書き

マリ戦の放送では城彰二さんが解説をされていましたが、城さんはたまに見るネット記事でダメ出しをはっきり言う人だと思っていたのですが、試合中の解説では負けている日本に対して良くないところを全然言わないなと思いました。
放送局の意向などもあるのかもしれませんが当たり障りのないコメントをするばかりでネット記事とはこんなにも違うものかと思ってしまいました。
セルジオ越後さんならどんなメディアでも一貫したコメントをしてくれますが城さんはどうやらそうではないみたいですね。
まあでも状況によって発言の変わる人は城さんだけではないと思うので解説の仕事というのは放送局の意向が結構強いものなのかもしれませんね。
そう考えると松木安太郎さんは応援しているだけと言われることがありますが、解説は的確ですし言いたいことを言ってる感じもするのでそれで長年解説をやれているのは優秀なんだなと思いました。
あと今回の放送局の実況が私は好きではないです。
局によって実況のスタイルというか特徴は全然違いますが、今回の放送局は実況というよりはただ選手が〇〇という海外のクラブに所属しているとか、選手のインタビューで言ったコメントを紹介したりだとか情報を提供するだけで全然試合を実況できていないと思っているので好きではないです。
もっと試合を実況してサッカー初心者が見ても試合に集中できて楽しめる実況をしてほしいですね。



終わり。

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