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父と息子、隔世遺伝の不安

お盆期間中に、母の命日があります。
というわけで、一週間ほど実家に滞在しています。

父と数日間一緒にいると、父子でありながら、性格が真逆な事に驚きます。
なぜこれほど違うのか、お互い、不思議に思っています。

父は、豆腐やところてんの空き容器をシンクに置きっぱなしにします。
食後の皿もずっと放置したままで、次の食事を準備する時に洗います。
駐車場では、必ず頭から突っ込んで前向き駐車します。

容量の多い詰替え洗剤は、キャップを閉めずに適当に放置し、
開けっ放しの半分残ったパックの袋は、心許なく立て掛けられたままです。工場勤務者だったのに、整理整頓が苦手です。

後で楽するより、今すぐに、楽したいタイプです。
あるいは、先を予測しない、できない。
もっと言えば、考えることが苦手な人。
キリンラガービールしか買わない事も、毎日飽きるまで同じものを食べ続ける事も、単純に考える事が嫌なのだと、分析しています。
夏休みの宿題などは、最後までやらないタイプだったと思われます。

私は、完璧に、全く真逆です。
食事を作りながら、使った皿や調理器具を同時に洗います。
子供の頃、母がそのように教えてくれました。
駐車場では後ろ向きに、白線に沿ってキッチリ真っ直ぐ止めます。
鞄や机の中は、開けなくても何があるか把握しています。
夏休みの宿題は、最初の1週間で全て終わりにしました。
努力をする事も、考える事も、好きです。

困った事に、性格が真逆の血縁者が、もう一人います。
高校生の息子です。

自己管理が出来ず、努力が嫌いで、考えない。
積極的に、自発的に、易きに流れているようにしか見えません。
隔世遺伝というヤツを、間近に目撃しております。

性格が違う他人なら面白く、父に対しても無関心でいられますが、
息子の場合は困惑します。

父は、母を不幸にしました。
母の死後10年間は、心底、父を憎んでいました。

私が高校生になった頃、父は家を出て行きました。
妹は中学生、弟は小学生になったばかりです。
母が亡くなる半年前くらいに、ひょっこりと戻ってきました。
末期がんを患う人の前で、平気でタバコを吸う人間です。

母は65歳で亡くなり、父だけが今、母の残した家で長生きしています。
母が子供や孫のために増築した実家は、タバコのヤニだらけです。

父を許す事は一生できないと思いますが、もはや怒りはありません。

でも、息子が父のような人間になることだけは、断じて避けたいのです。
行動や思考が似ているので、とても心配です。
仕事を辞めた後の悩みがこんな事で、切なく、悲しく、わらえてきます。

明日は、妻と長男、次女も実家に来ます。

「自分が良ければ全て良し。」
「努力の練習をしない。」
で生きると、周りの人を不幸にする恐れがある。

長男に対して無関心でいられるよう努力したのですが、無理でした。
父のように、家を出て行く事も出来ません。
そこで「父の振り見せて、息子の振り直せ」に作戦変更します。
今年の夏の、大きな目標です。

取り急ぎ、仏壇に手を合わせて、母に協力依頼をしておきました。

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