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明けない夜があってもいい

 明けない夜があったとしたら何をするだろう。

「明けない夜はない」とは良く言うけれど、個人的には明けない夜があっても良いと思っている。

 夜は開放的な気分になれる。日中のしがらみから解き放たれた気分。

 夜が来るとワクワクする。読めていない本を読みたくなるし、暗闇に沈んだ街を歩きたくなるし、ふいに旧友に連絡したくなるし、寝ずにベッドでごろごろしたくなる。

 そんなドキドキワクワクする一夜の大半を眠って過ごすなんてもったいない、と思う。じゃあ眠らずにいようと言うわけにもいかない。眠らないと翌日がキツイ。何で眠らなかったんだと深く後悔することになる。

 だから夜がもっと延びてほしい。

 ある地域には太陽が沈まない白夜という日があるらしい。

 発狂する。ヨルガコナイ…?

 夜空を眺めていると神秘的な心持ちになってくる。青空を見るときよりも、宇宙をありありと感じることができる。

 そういう感覚は日々に忙殺されるからこそ大切にしておきたい気持ちだ。仕事に明け暮れていると、なんだか、世界が窮屈に感じられる。

 窮屈なのは自分の書斎だけで十分だ。

 あーあ、寝て起きても夜だったらいいなあ。

 

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