音子(otone)

20年間勤めた会社をあっさり辞めた、能天気で自分の赴くまま生きると決めた三兄弟の母です…

音子(otone)

20年間勤めた会社をあっさり辞めた、能天気で自分の赴くまま生きると決めた三兄弟の母です。次男は発達障害です。主に短編小説などや自分の感じたこと、子育ての事などを載せていきたいと思います。よろしくお願い致します。

最近の記事

ワイワイサタデー

私が小学生の時はまだ今ほど子供向けテレビ番組が充実していなかった。 その当時大阪に住んでいた小学生の私には、特に吉本新喜劇が終わってしまった後の土曜日の昼間の中途半端な時間なんて最悪だった。 テレビのチャンネルをいくら変えても、本当に面白そうな番組なんて何ひとつなかったのだ。  そんな観るものが何もない番組の中で何となく観ていた番組があった。それが「ワイワイサタデー」と言う番組だ。  ワイワイサタデーは今で言う素人参加番組で毎回素人的な美人が出てきて自分の特技などを審査

    • サンタの居場所

      『サンタなんかおらへんで』 『サンタは絶対おるよ!』 小学生の高学年ぐらいになると、いる派といない派に分かれた時にこう言った会話が交わされることがいつの時代もあるかと思います。 かく言う私も、このような会話をした子供の1人でした。 では当時小学生だった私はどちらかと言うと… いない派でした。 ませていますか? いやいや、それは違います。 私のところには本当にサンタが来たことがなかったからです。 私の家は特にとても貧乏という訳では無かったのですが、多分父は若干子

      • 僕らの街【#2000字のドラマ】

        これでもかと言うほどまっ青な空に洗濯したばかりみたいな大きな雲が浮かんでいる。 「クジラの形みたいだな」 隣でソーダのアイスを食べていたタツヤがポツリと言った。 「えっ?何が?」 「あれだよ。あの雲だよ」 タツヤは煩わしそうにアイスを口から離して、目の前に浮かぶ大きな雲を指さした。アイスは鉄板級に暑い夏の日差しを受けて溶けかけている。 「そういや、そうだな」 気のない返事で返した。 誰もいない公園の高台。 僕とタツヤは正気でいられないほど暑い中、いつもの場所で

        • 投稿しました

          monogataryさんに小説を投稿しました。 内容が大変暗いのですが(汗) 良かったら読んでみてください。 今度は楽しい話を書きたいです。。 https://monogatary.com/episode/264594

        ワイワイサタデー

          いつか白い花に囲まれる日に

          妙にゴツゴツした白い花。 小さな窓から見えるのは見慣れている筈の顔なのに、何故か皮と骨ばかりで中身は空っぽだった。 変なの。 子供心にそんなふうにしか思えなかった。 * 時子は重たく感じる薄紫色の天井を見上げてため息をついた。 それは何か深く悩んでいるような、重くて深いものではなく、どちらかというと軽くてついつい癖でついてしまった種類のものだった。 幼い日の出来事のことを思い出してしまったのだ。 そのことを思い出すと、時子はもうダメだった。 眠れなくなってし

          いつか白い花に囲まれる日に

          消耗していったもの達のために

          自分のことについて書きたいと思う。 この文章は私という人物について、 自分自身で(もちろん分かる範囲でだけれど)少なからず理解し、整理し、曲がっていたら真っ直ぐ直し、ホコリを払い、きちんと棚に戻し、汚いものは洗い、腐ったものは迷わず捨てて、畳んで直して、 そうやって自分自身を整理して向き合ってみようと思う。 誰かの役には到底立ちそうもないけど、もしかすると誰かは私より、私のことを理解できたつもりになるかもしれない。 本当の自分を知っている人はこの世に何人いるだろう?

          消耗していったもの達のために