ピアノ

切なさと

 曲が流れ始め私は彼と踊り始めた。
 暖かく緩やかでどこか寂しい曲だった。


 私は彼の事が好き。
 でも気持ちを伝えることはできない。
 私は学校を卒業したら許婚と結婚する。
 これは学校に通う前に決まっていた。
 私は受け入れている。
 彼の顔を見た。
 微笑んでいた。
 いつも穏やかで真が強い。
 そんな彼だから私は好きになれた。
 本当にパーティーに招待できて良かった。
 私は涙を堪えて笑顔で踊った。
 残り少ない時間を楽しんだ。
 
 曲が終わり彼の手が離れた。
 私は無意識に涙を零していた。
 彼はハンカチで私の涙を拭った。
「ありがとう。そしてさようなら」
 彼は涙を零した。

 卒業後、私と彼は別々の道に進んだ。


 読んでいただきありがとうございました。

 著者koo
 

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