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結局は人生出たとこ勝負なのかもしれないと思った話

いきなりだけど、私の性格について少し話をさせてもらうと、先のことが予測できないと、不安になる性格である。

俗に言う石橋を叩かないと渡れないし、物事の道筋がわからないと先に進めない。

突然の出来事に弱いため、最悪のパターンを考えて行動するし、まだ30代半ばにもかかわらず、将来の病気のリスクに備えて、最近の愛読書はもっぱら健康について書かれた本である。

そんな少し面倒くさい性格をしているのだけど、先日、ある出来事をきっかけにこの性格について考え直そうと思ったので、ここに書き残そうと思う。

それはつい先日の三連休前の金曜日。

世の中も少し浮足立って、フワフワしている雰囲気の中、私も金曜ロードショーを観ながら週末を楽しんでいた。

ポテチをつまみながら映画の盛り上がるシーンに差し掛かろうとしたタイミングで、私は出会うことに最も恐れていたものにとうとう出会ってしまった。

部屋の隅をカサカサと動く黒い生き物。そう、G(ゴキ●●)である。

今までの一人暮らしの中で、部屋の中を1番キレイにし、虫を寄せつけない努力をしていたけれど、「とうとう出たか…」と、ある種の覚悟と、あの独特な動きに、日頃味わうことのない緊張感が張りつめた。

一人暮らしの部屋には充分な量のゴキ団子を置いてたのに…。
キッチンや浴室の水滴もきれいに拭きとっていたのに…。

遭遇してしまった以上、後悔先に立たずである。

「…やる(殺る)しかない。」

私の中で眠っていた本能が呼び覚まされた。

とりあえず、念の為にと買っていたG専用の冷却殺虫剤を手に、戦いを挑むことにした。
しかし、説明書にある4秒噴射するという使い方なんて、素早い生き物の前では到底無理な話である。

これ以外の殺虫剤なんて家にないぞ…。

そこで昔友達が言っていた「キッチン洗剤はGに最強だったよ」という言葉を思い出し、右手に洗剤、左手に丸めた新聞紙という、意味不明な出で立ちでGと格闘すること小一時間。

部屋のいたる所が洗剤まみれになったが、無事、勝利をおさめることができた。

片付けも一段落しテレビをつけると、映画も終わりを迎えていた。
私の楽しい週末を返してほしい…。
そう思いながらも、やっと訪れた平和な時間を噛みしめ、新しい殺虫剤を買うことを胸に誓った。

と、虫の話はこれぐらいにして、今回の出来事をなんとなく考えていたところ、どんなに万全に対策していても、起こる時は起こる、ということに気付いた。

そして、想定外のことが起こった時、その結果を左右するのはその場での勝負強さというか、その状況の対応能力が物を言う、ということだ。

どんなに綿密に準備していても、何らかのトラブルが発生したら、全てはアドリブ勝負なのだ。

そして、先を予測して準備ができる能力を高めることと、アドリブ能力を高めることは、全く別の別物である。

将来のことの予測するには、考える力が必要だけど、アドリブの場合はむしろ考える力は邪魔になり、体の感覚や感性がものを言う。

燃えよドラゴンでいう「考えるな、感じろ!」
トップガンでいう「考えるな、行動しろ!」
である。

最近の私の性格でいうと、考えることが好きなため、色んなことを予測して準備するところはメリットだと思っていたけれど、何か予想外のことが起こった場合はとたんに対応力に欠けるし、むしろ考える力はマイナスに働く。

頭の良いインテリ系と、アドリブに強いセンス系にはそれぞれに良さがあるけれど、予想外のことが起きる世の中では、アドリブの強さが最後はものを言う。

好きな人との突然の別れ。
大事なテストや試合の日の体調不良。
大病の発覚。

生きていたら、予想外のことだらけである。

将来のことを考えて行動していたら大丈夫、なんてことはなく、予想外のことも起こるという前提に立って、これからはアドリブに必要な感覚やセンスも磨いていきたい。

できるだけの準備をしたら、あとはなんでもこい!どんとこい!である。

人生、結局は出たとこ勝負である。

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