「「その他の外国文学」の翻訳者」を読みました。

「その他の外国文学」の翻訳者」を読みました。読書メモと兼ねて、これをタネに自分語りをします。

外国語とか翻訳とか、一般にどれくらいの割合の人がどれくらい関心を持っているものなんでしょうか?自分はファンタジーの海外文学(「はてしない物語」「指輪物語」)を小学校の図書館で読んでからライトノベル(日本の)経由で海外SFに行くという経路だったので、外国文学とか翻訳とかちょっと関心あるなー、という少年期を過ごしていました。

ラノベの中の1冊に、言語の設定まで公開しているものがあり、「ヘブライ語のように子音のみ書いて母音は省略するか補助的な記号で表す」みたいな一節があり、なんやそれかっこいいー、という印象を今でも覚えております。書きながら思い出しましたが、小学生の頃NHKテレビのロシア語会話でロシア文字のアルファベットを頑張って写してたこともあります。Rが逆じゃん!Eが横になってるじゃん!!

受験の英語は不得意ではありませんでしたが、まぁそれでも語学よりはコンピューターの方の興味が勝って工学部に進学したわけです。大学入学後はほんのりと外国語への興味は残っていて、図書館で諸外国語の入門書の文字を眺めてはその格好良さと同時に訳のわからなさに打ちのめされる、というのをしばらく続けていました。ヘブライ文字をちゃんと見たのはこの時期が最初だったかな。しばらくすると授業やらサークルやらで忙しくなりほんのりとした外国語への興味はほんのりとしたまま薄れていったわけですが。

大学院に進学したあと、研究発表で国外渡航の機会が増えたわけです。初国外は24歳の時なので相当遅いですね。これで外国語にほんのり興味を持ち続けていたのが今となっては謎です。

最新技術の助けも借りて、渡航先の挨拶を数十フレーズ覚えて現地で使う、というのを裏テーマにして国外渡航に挑戦するのはとても楽しいです。今のスマホアプリは文字も音も反復練習できてとても良い。(英語以外では)(最初に行った時期の順に)スロベニア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語(チリ)、トルコ語、フランス語、スウェーデン語、ハンガリー語、ギリシャ語あたりの挨拶を頑張って覚えました。今では大体忘れてます。今頑張ってひとつ思い出しました。Jó napot kívánok!

英語はまぁこれまで頑張って勉強したなりに、向こうが手加減してくれれば観光地ではなんとかなる程度。そして、結構馬鹿にできないなぁと思ったのが大学の第二外国語の授業でして、ドイツ語はほんのちょっとだけわかるんですよね。あーこれが主語でこれが動詞で、冠詞が格変化してて…。事前に言いたいことを作文しておけば観光案内所でチケットが買える程度にはなってました。向こうがドイツ語で返して来たのは全くわからんかったけどな…。トルコやハンガリーだとこれがまるで分からん。

そんなこと体験しなくても分かれよ!と言いたいところですが体験してやっとわかったんだからしょうがない。あれくらいの時間をかけると(英語の知識が流用できるドイツ語でも)これくらいなのかぁ。「外国語をちゃんと使えるようになるのはしんどい」。それでも(だから)生涯の趣味として外国語や文字への関心は持ち続けられていて、最近は数年かけてじんわりとヘブライ文字とアラビア文字が識別できるようになりました。「右から書くのってかっこいい!」というのが動機です。母音が書いてないから正確な発音はわからないままです。

という自分語りをした後で、やっと本の感想に移ります。リンク先の紹介を読んでいただくのが良いのですが、翻訳がじゃんじゃん出版されている主要な外国語(僕の印象だと「大学の教養課程で第二外国語として開講されている」≒主要な外国語)ではないその他の外国語の、しかも文学を翻訳する翻訳者9名にインタビューした本です。

まずは表紙からして相当良い。9個のうち5つはラテンアルファベットなのでなんとなく音が読めそう、だけど英語では見ない謎の記号がちょっとついてる。ダイアクリティカルマークは萌え要素ですよね。そして残りの4つに至ってはどこまでが一文字なのか、どっちから読むのかすらわからない!

どの翻訳者も同様に教材が無い、辞書が無い、文法書が無い、…といった苦労を述べられていて、やはり「外国語をちゃんと使えるようになるのはしんどい」ようです。あとはどなたも行動力が並外れています。著者へのコンタクト、現地でのフィールドワーク、イベントの開催、などなど。行動力が並外れていた結果として翻訳者としての技量や成果があるんですよね。これも当たり前ではありますが。

翻って自分は外国語にぼんやりとした興味を持ち続けてはいますが、人々と交流したいのかと言われるとそこまででもないな…というのが正直なところでして、やはり僕自身は趣味に留めておくのが良いようです。どっちかというと文字、文法構造、語根からの造語過程に興味があるんだよなー。というのに最近気づきました。そして17歳の僕が工学部を選んだ選択は正しかったのだと思います。

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