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小説

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#短編小説

2018.8.5 夢十夜/第三夜

こんな夢を見た。  つつじの甘い匂いに誘われて、帰りの夜道を寄り道した。  普段は通勤で…

こん
6年前
5

2018.8.2 わたしの個体距離

 個体同士で一定の空間や距離を保つ「非接触動物」と呼ばれる動物がいる。鹿とか。  けれど…

こん
6年前
3

2018.8.1 夕飯前のアイス

 昼寝して、夕方に目が覚める。  時計を見ると間もなく18時半。日中、陽の光をこれでもかと…

こん
6年前
5

2018.7.27

月没帯月蝕  かすかに聞こえる合成音声の中、ぶううううん……と雑音がスピーカーから聞こえ…

こん
6年前
4

2018.7.25 夢十夜 第二夜

 こんな夢をみた。  今日も暑い。気持ち悪い汗を、すでに汗で湿ったタオルで拭く。  地元…

こん
6年前
5

2018.7.24 夢十夜

 こんな夢をみた。  私は偏頭痛持ちで、低気圧がやってくるともれなく頭痛に悩まされる。 …

こん
6年前
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2018.7.23

 本当に、真っ白。  頭の先からつま先まで。肌も、唇も、瞳も、爪も。服で隠れて僕に見えないところも真っ白なのだろう。  これだけ真っ白なのだから、きっと心も魂も、脳も真っ白なのだろう。  その真っ白を、僕が知る世界で例えることができない。  柔らかいシルクだとか、漂白されたシャツだとか、朝露に濡れる花だとか、夏の入道雲だとか、封を切ったばかりのノートだとかとは、絶対違う。  緊張した堅さと、冷りとする感じ。  でも柔らかい肌や髪の下には、おそらく微熱がある。  僕はその真